米議会上院は6日、ブレット・カバノー氏の最高裁判事の人事案を賛成多数で承認した。
投票結果は賛成50-反対48の僅差となり、最高裁判事の承認投票としては、1881年以来最も少ない差になるという。
トランプ大統領の指名後は、カバノー氏の承認は確実視されていたが、上院司法委員会での投票直前に、クリスティン・ブレイシー・フォード(Christine Blasey Ford)博士ら複数の女性が、学生時代にカバノー氏よりセクハラを受けたと告白。
その後、フォード博士とカバノー氏への公聴会や、FBIによる調査が行われ、#MeTooムーブメントによる抗議が高まるなど、承認プロセスは難航していた。
民主党ではジョー・マンチン議員(民主党、ウェストバージニア州)が唯一賛成にまわり、共和党ではリーサ・マーカウスキー議員(共和 アラスカ州)が唯一の反対表を投じた。スイングボートとして注目された、ジェフ・フレーク議員とスーザン・コリンズ議員が、昨日時点で賛成を表明していたことで、カバノー氏承認は確実視されていた。
承認の一報を受け、トランプ大統領はツイッターで祝福した。
I applaud and congratulate the U.S. Senate for confirming our GREAT NOMINEE, Judge Brett Kavanaugh, to the United States Supreme Court. Later today, I will sign his Commission of Appointment, and he will be officially sworn in. Very exciting!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) October 6, 2018
中道派のアンソニー・ケネディー判事が今年引退。ケネディー判事に変わり、保守派のカバノー氏が9人目の最高裁判事に加わることで、最高裁判事はリベラル派4名、保守派5名で構成されることになる。今後の最高裁判決は保守に傾くと見られる。
カバノー氏の任命は、現在米国で問題となっている銃規制、妊娠中絶を支持する判決「ロー対ウェイド事件」(Roe v. Wade)、人種や性別間の平等を推進するアファーマティブ・アクション・プログラム、トランプ大統領へのロシア疑惑捜査などについて、最高裁の決定を左右するとみられる。