27日、テスラのCEOイーロン・マスク氏とツイッター社の買収取引が完了した。買収額は4月の合意通り、1株あたり54.20ドル、合計440億ドル(約6.5兆円)となった。今後は、永久凍結されていたトランプ氏のアカウントにも注目が集まっている。

マスク氏はこの日「バードが解放された」とツイート

取引の完了直後、パラグ・アグラワル最高経営者(CEO)とネッド・シーガル最高財務責任者(CFO)などの幹部が解雇された。ウォールストリートジャーナルは、これらの中に、法務部門のトップ、ヴィジャヤ・ガデ(Vijaya Gadde)氏が含まれると伝えている。

社内で「道徳的権限」

ガデ氏は2021年1月に起きた議事堂銃撃事件後、トランプ氏のアカウントを永久凍結する判断を下した。また、2020年大統領選の直前、バイデン親子の疑惑を報じたニューヨークポスト紙にポリシー違反があったとして、アカウントを一時凍結し、記事の配布に制限をかける措置を講じた。

マスク氏は4月、この対応について「真実を報道した主要報道機関のツイッターアカウント停止は、どうみても非常に不適切だった」と同社の検閲を批判していた。

5月に、ツイッター社がトランプ氏をプラットフォームから追い出したのは「極めて愚か」と述べたことから、アカウント復帰の憶測が流れていた。

Polticoは当時、2011年にツイッター社に加わったガデ氏は、社内における「道徳的権限」を有していたと紹介。取締役会でマスク氏による買収が決定した後、ガレ氏は部内のオンライン会議を緊急開催し、ツイッター社の今後について協議を行ったと報じた。

ブルームバーグは取引成立後、トランプ氏のアカウントを永久に凍結するという決定は、覆される見込みだと伝えている。

SNSではマスク氏の買収後、ツイッターが4chやトランプ氏が所有するSNS「Truth Social」化し、無法地帯になるのではないかと不安視する声も投稿されている。

マスク氏は契約が成立する前、「広告主」に宛てたツイートで、ツイッター社の買収目的について「文明の未来のため、公共のデジタルタウンスクエアが重要」と主張し、利益の追求ではなく「愛する人類のため」と説明している。

現在のSNSが「極右と極左のエコーチェンバー」となり、メディアが「クリック稼ぎのために、二極化した過激派を煽っている」と非難した。さらにツイッターは「無秩序で最悪な場所にはならない」と断言し、法を遵守しつつも、皆が受け入れられるスペースにすると語っている。