ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は18日、NY州バッファロー銃乱射事件でオンラインプラットフォームが果たした役割に関する調査レポートを発表した。

発表に伴う声明で、レポートは「4chanのような非主流のオンラインプラットフォームが、犯人を過激化させ、Twitchのようなライブストリーミングプラットフォームが、模倣的な暴力を宣言、助長するための武器として利用された」と結論づけたと説明。「これらプラットフォームの監督、透明性、責任の欠如により、憎悪的で過激主義的な考えがオンラインで増殖し、過激化と暴力につながった」と非難した。

乱射事件が起きたのは今年5月14日、バッファローにある食料品店が狙われ、10人が死亡、3人が負傷した。周辺は黒人居住者が大半を占める地域で、犠牲者のうち11人が黒人だった。犯人のペイトン・ジェンドロン(18)被告は、動機や計画を記したマニフェストをオンラインに投稿しており、その中で自身を白人至上主義者、反ユダヤ主義者と名乗り、「リサーチ」を通じて、白人の出生率の低下や、「ヨーロッパ人は完全に、人種的かつ文化的に置き換えられる」などの危機感を抱いたと主張していた。6月、人種などを理由とした憎悪を動機とする国内テロ罪や第1級殺人罪など25件の罪状で大陪審によって起訴された。

キャシー・ホークルNY州知事は事件の4日後、ジェームズ長官に宛てた照会文書で、オンラインプラットフォームが事件に果たした役割について、調査が必要との見解を示した。

ジェームズ氏は、調査はこれに基づいたもので、犯人が使用していた4chan、8kun、レディット、ディスコード、Twitch、YouTube、犯人のマニフェストや画像が出回ったFacebook、Instagram、Twitter、TikTok、Rumbleといった企業に召喚状を発し、数千ページにおよぶ資料を審査したと説明した。

調査により判明した点として「非主流のプラットフォームが犯人の過激化を焚き付け」、「ライブストリーミングが、銃乱射事件の道具になっていた」と指摘。銃撃犯は「特に4chanなど、事実上モデレートされていないウェブサイトやプラットフォームの悪質な人種差別的、反ユダヤ主義的なコンテンツによって、過激化した」としたほか、「他人が、自分が暴力におよぶ姿をリアルタイムで視聴しているだろうといった信念にかりたてられた」と説明した。

一方、大手プラットフォームについて、過去の事件と比較して、バッファローでは問題のコンテンツの特定、削除に要する時間は改善されたとしつつ、企業による対応にばらつきがあり、ポリシーが不透明だとした。

加えて、「プラットフォームの責任が欠如している」と指摘し、通信品位法230条に基づく、法的免責の範囲が「大きすぎる」と主張した。

調査結果を踏まえ、ジェームズ長官は州法改正の必要性に言及。加害者に対して、殺人描写の画像やビデオ作成に伴う刑事責任を負わせる法を施行するべきとしたほか、加害者以外でもこれを配布、送信した者に、民事責任を負わせる法を検討すべきとした。

連邦法の230条について、プラットフォームに「違法な暴力犯罪コンテンツが表示されることを防ぐ合理的な対策」を義務付けるなどの変更が必要との考えを示し、この改正に合わせて州では、先の民事責任をプラットフォームにまで拡大するべきだと主張した。加えて、ドメイン登録企業やホスティング会社といった周辺事業者に対して、ヘイトや暴力コンテンツを繰り返し扱うウェブサイトにサービスを拒否するなど、自主的な取り組みをするよう訴えた。