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イーロン・マスクのツイッター買収。ベゾスが懸念する「テスラと中国」の関係

ツイッターの取締役会は25日、イーロン・マスク氏の買収提案を受け入れることで合意したと発表した。マスク氏は、1株あたり54.20ドルで買収すると提案しており、買収総額は約440億ドル(約5.6兆円)と報じられている。

マスク氏は声明で、「言論の自由は、民主主義が機能するための基盤である」とし、ツイッターは「人類の未来にとって重要な議論がなされるデジタル・タウン・スクエア」と述べた。

今後について、「信頼を拡大するためアルゴリズムをオープンソースとし、スパム・ボットの阻止、すべての人間の認証」など製品の機能を強化すると宣言した。

ベゾス氏が反応

これに対し、テック企業のライバルで、宇宙開発事業を巡り激しい競争を繰り広げているアマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏は、テスラと中国政府との関係を示した記者のツイートを引用し、「中国政府は、タウン・スクエア(ツイッター)に対する影響力を少し得たのだろうか?」と疑問を投げかけた。

続けて「私の答えは、おそらく、そうではない。ツイッターの検閲というよりは、テスラにとって、中国市場における複雑性を増す結果になるだろう」と、今後、テスラの事業に影響が及ぶ可能性を示唆。一方、「マスクは、この手の複雑性をナビゲートするのが極めて上手だ」と、高みの見物を決め込む姿勢を示した。

ベゾス氏が引用したツイートは、ニューヨークタイムズのマイク・フォーサイス氏によるもので、中国がテスラの米国に次ぐ第2の市場であることや、中国のバッテリーメーカーは、テスラのEV車の主要なサプライヤーであると説明。中国政府が2009年にツイッターの国内利用を禁止した時は、プラットフォームに対する影響力は、ほとんどなかったと加えた上で、マスク氏の買収によって「何か変わったかもしれない」と予測していた。

現在テスラは、上海で工場を運営している。マスク氏は昨年、中国共産党の設立100周年に際し、「中国が成し遂げた経済的繁栄は実に素晴らしい」と賞賛するツイートを投稿していた。

宇宙開発で覇権争い

世界の長者番付の1位と2位に君臨するマスク氏とベゾス氏は、宇宙開発の分野でも、しのぎを削っている。

マスク氏のスペースXは昨年、月に飛行士を送る「アルテミス計画」をめぐり、NASAと29億ドルの契約を締結。ブルーオリジンを創業したベゾス氏は、この選定を巡って、米政府を提訴したが、敗訴した。

マスク氏は訴訟の間、「月までの道は、訴えることはできない」「軌道に乗ることができなかった(笑)」などジョークを投稿していた。

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