米国防総省は23日、ウクライナの軍事支援として、追加で4億ドルに相当する兵器の提供を発表した。支援はドローダウンと呼ばれる、大統領権限により在庫からの供与を命じるもので、2021年以来26回目となる。今月10日も同規模の支援を決定していた。

今回の支援には、地対空ミサイルシステムNASAMSや高機動ロケット砲システムHIMARSの弾薬、精密誘導155mm砲弾200発、120mm迫撃砲1万発、高速対レーダーミサイル(HARMs)に加え、ドローン迎撃用に熱画像照準器を備えた重機関銃150丁を提供する。

このほかに、ハンヴィー(150台)や戦術車両(100台超)、発電機(200台)を供与する。

同省は声明で、ロシアによるインフラを狙ったミサイル攻撃に対して、防空能力の増強が依然として最も緊急性が高いと強調。NASAMSの追加弾薬や重機関銃が緊急の脅威に対抗する上で役に立つとした。

同日、ロシアは再び広範なミサイル攻撃を実施。少なくとも民間人6人が死亡、30人以上が負傷したと伝えられた

首都キーウやリヴィウといった西部の都市、南部のムィコラーイウも攻撃を受けた。キーウのクリチコ市長はテレグラムで、首都のインフラ施設の一つで被害が出たと報告。キーウに対して31発のミサイルが撃ち込まれ、このうち21発を撃ち落としたと述べた。

ロシアは、ウクライナ全域の都市を爆撃する戦略に移行し、ミサイルと自爆型ドローンを組み合わせた攻撃を執拗に繰り返している。ただしウクライナ側は、ロシアはこうした攻撃でミサイルの備蓄を急速に使い果たし、現在の備蓄は、大規模攻撃3回分ほどとの分析を示している。

イラン製ドローン ロシア国内で組み立てに

ワシントンポスト紙は今週、ロシアとイラン政府との間で、イラン製ドローンをロシア国内で生産することで合意に達したと伝えた。

米国や西側の治安当局による情報だとしており、それによると両国の当局者は11月初旬にイランで行われた会合で最終合意に達した。数ヶ月以内に生産を開始できるよう、設計や主要なコンポーネントの移転作業を急いでいるという。

イラン製ドローンはウクライナで繰り返し回収されているが、イラン政府は、提供したのはロシアが侵攻を開始する数ヶ月前で、少数だと主張している。ただし情報当局者らは、8月以降にロシアが発射したイラン製ドローンは、400機を超えるとみている。

西側から追加の制裁を求める声があがる中、ある当局者は、イラン指導者らは、ロシアで組み立てをすれば新たな制裁を回避できると考えているようだと指摘したという。

これとは別に、ウクライナで回収されたドローンのコンポーネントのほぼすべてが、米国をはじめとする諸外国の企業の製品だったとの報告もあり、イランに対する現行の制裁の効力を疑問視する声も上がっている。