ロシア使用のイラン製ドローン パーツの大半が米社製

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英国の調査組織「Conflict Armament Research (CAR)」は、ロシアがウクライナへの攻撃に使用したイラン製ドローンと爆弾を調査した結果、パーツの大半が過去数年内に製造され、約80%は米国企業の製品だったと報告した。

報告によると、11月2日から5日の間に、現場調査チームが「Shahed-131」1機と「Shahed-136 」2機、「Mohajer-6」1機、「Qaem-5精密誘導弾」1発を分析した。

ドローンはロシア名が付されているが、ケーブルやラベル、機体構造を含む6つの「物理的特徴」を2017年から今年にかけて中東で調査した機体と比較し、イラン製との結論に至ったとしている。

Qaem-5は、製造日が5月22日とマークされており、ロシアがウクライナへの侵攻を開始した2月24日以降にも、イランから兵器がわたっていたことが示された。

イランの兵器供与は以前から疑われているが、同国のホセイン・アミール・アブドラヒアン外相は先月、ポルトガル政府との会談で、いかなる兵器も供与しておらず、する計画もないと否定していた。

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今回分析した兵器のコンポーネントは、ほぼすべてがアジアまたはヨーロッパ、米国が拠点の企業の製品だった。企業は13カ国70社におよび、コンポーネントの82%が米企業によるものであることがわかった。2020年と2021年製が56%を占め、80%以上が2017年以降に製造されたものだった。

ドローンには、以前のシステムと比較して、性能を著しく向上させる機能が確認されたといい、CARは、これら高度な技術への移行は、イランが制裁を回避してパーツを輸入し、兵器の能力を増すことができることを示していると指摘した。

さらにShahed-131とShahed-136は、 2015年に採択されたイランの核問題に関する安保理決議2231号の制限対象に該当すると説明。同決議では、特定の技術や製品について、イランに対する、またはイランからの移転に関する制限措置が定められ、これには射程300kmを超える弾道ミサイルや巡航ミサイルとともに、無人航空機システムが含まれている。

報告では企業や製品は明らかにされていないが、ウクライナ軍の情報機関は9月にテレグラムに投稿した資料で、Shahed-131にテキサス・インスツルメンツのプロセッサが見つかったと報告した。Mohajer-6については、先月、回収した機体に、オーストラリアのメーカー「ロータックス」のエンジンが使用されていたと報じられた。