ロシアでワグネルグッズがブームに?処刑ハンマーが販売

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モスクワのインテリアショップでは、民間軍事会社「ワグネルグループ」のハンマーのレプリカの売れ行きが好調だという。

プーチンの料理長の異名をとるエフゲニー・プリゴジン氏率いるワグネルは、軍事侵攻開始以来、囚人から戦闘員を徴収して前線に「消耗品」として送り、現在ウクライナ東部のバフムトでウクライナ軍と激しい戦闘を続けていると報じられている。

ロシアのテレグラムチャンネル「осторожность,Москва(注意、モスクワ)」の投稿によると、ハンマーは、ワグネルに触発されたローカルの家具職人が考案し、室内用のインテリアとして作り始めた。販売者は、大きな需要があると話しているという。

鉄のヘッド部分は3キロほどの重さで、ワグネルのロゴと頭蓋骨のイラストが彫られている。

英紙テレグラフは、ハンマーは、ワグネルグッズブームの一環で、同組織のブランディングがうまくいっている証だと指摘。ハンマー以外にも、木彫りのバックギャモンセット、キーホルダー、マグカップ、Tシャツ、カーステッカーなど多様なアイテムが広く販売されているという。

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ハンマーは、同グループの暴力や残忍性を賛美する文化の象徴とされ、2017年にシリアで脱走を試みた現地男性の殺害ビデオをきっかに広く認識されるようになった。

ウクライナ侵攻でも、見せしめや力を誇示する道具として利用されている。

昨年12月中旬、ワグネルに関係するテレグラムチャンネルで、ウクライナに投降し、捕虜交換でロシアに戻されたとする戦闘員が、ハンマーで処刑される動画が出回った。

プリゴジン氏は、この戦闘員について「国民を裏切り、仲間を裏切り、わざと裏切った」と批判。「犬には犬らしい死が待っている」となどと述べていた。

11月に欧州議会がロシアをロシアをテロ支援国家に指定する決議案を可決した翌日、プリゴジン氏は代理人を通じて、ストラスブールの欧州議会にバイオリンケースに入った血糊をつけたハンマーを送りつけた。

9月にロシアの地方選を控える候補者の一部は、ハンマーを持って記念撮影をしたり、昨年サンクトペテルブルクにオープンしたワグネルの施設で戦闘の講習を受けたことを自慢したりするなどしているという。