ツイッター バイデン疑惑報じたNYポスト紙のアカウント解除

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米ツイッターは30日、凍結していたニューヨークポスト紙のアカウントを2週間ぶりに解除した。

同社は14日、NYポスト紙が投稿したバイデン前副大統領の息子、ハンター・バイデン氏に関する記事が、ハッキングされた情報を拡散する「ハックド・マテリアル・ポリシー」や、個人情報を含むコンテンツシェアするポリシーに違反するとして、公開数時間後に記事の配布を一時的に制限した。さらにNYポスト紙のアカウントを凍結した。

同紙は記事の中で、ハンター氏の私的な電子メールや写真を公開した。ウクライナにある天然ガス会社ブリスマ社の幹部からハンター氏に送られたと見られるメール文書を引用し、ハンター氏が、同幹部と当時副大統領だったバイデン氏の面会を仲介をしたと報じた。
メールの出元について、デラウエアにあるリペアショップに持ち込まれたパソコンから回収されたと説明。店主が作成したハードドライブのコピーを、トランプ大統領の個人弁護士のルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長を経由して入手したと述べている。

フェイスブックも、内容に関して第三者機関によるファクトチェックを行うとし、「この間、われわれのプラットフォームでの配信を減らす」と発表。同記事の配布に制限を設けていた。

記事に関して、素材の真正性を疑問視する声が上がる一方、議員の一部からはメディアに対する不当な検閲だと非難が寄せられた

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その後同社は、「ハッカーやそれらのアカウントから直接シェアされたものでない限り、そのコンテンツは削除しない」と方針を改定し、それらの記事を含むリンクには「ブロックする代わりに、ラベリングを付与する」と発表した。
個人情報のポリシー違反に関して、広報担当者は個人情報が拡散され、すでに個人情報ではなくなったためニューヨークタイムズに語っている。

一方NYポスト紙に対しては、アカウントの凍結を継続し、解除するには変更前のポリシーが適用されている10月14日のオリジナルツイートを削除する必要があるとしていた。

同社は30日に改めて方針を改定し、「以前に執行したことを遡及的に覆さないという慣例を終了する」と発表した上で、NYポスト紙はツイートを再開できると述べた。

共和党議員らが厳しく追求

28日、上院商務委員会の公聴会に証人として招かれたツイッターのジャック・ドーシーCEOは、NYポスト紙の措置に対して、議員から厳しい追求を受けた。

かねてより保守系メディアへの検閲を声高に指摘していた共和党のテッド・クルーズ上院議員は「言語道断」だと非難

ニューヨークタイムズによるトランプ氏の納税情報に関する記事に、制限措置を講じなかったことに言及し、同社のポリシーは「非常に疑わしく、明らかに部分的だ」ツイッターのポリシーの矛盾を指摘。
さらに「ジョー・バイデンに批判的な記事になると、ツイッターは検閲し、黙らせることに従事した」と批判を続け、「メディアが何を報道することができて、国民は何を知ることができるのかについて、一体誰が君を選び、任せたのだ。どうして、反対する政治的意見を黙らせようとする民主党の政治委員会のように振る舞い続けるのだ」と声を荒げた。

ハッキング資料の漏えいを危惧する声も

「ハッキング・マテリアル・ポリシー」は、違法に入手した可能性のある資料をプラットフォーム上で配布する動機を回避するため2018年に設けられたという。

サリー大学のサイバーセキュリティ専門家、アラン・ウッドワード(Alan Woodward)氏は、ビジネスインサイダーに対し、ハッキングされた資料がハッカーに賛同する第三者に簡単に漏えいする危険があり、悪用される可能性があると指摘した。