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NYポスト紙のバイデン親子報道、情報はどこから?ソースが物議

ニューヨークポスト紙は14日、ジョー・バイデン氏の息子、ハンター氏と、ウクライナの天然ガス会社ブリスマ社の経営幹部との間で交わされたとみられる電子メールの内容を公開し、ハンター氏が同幹部に当時副大統領だったバイデン氏を引き合わせたと報じた。

記事掲載から間も無く、フェイスブックはファクトチェックが必要だとして、拡散を制限すると発表。またツイッターも「ハッキングされた素材の配布」に関するポリシーの違反するとして、同社のアカウントを停止した。現在、記事の元になった情報や関係者について、信頼性を疑問視する声が上がっている。

PCリペアショップから流出

ポスト紙の説明によると、メールデータは2019年4月にデラウエア州にあるリペアショップに持ちこまれたMacBook Proから回収された。

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店主はパソコンの持ち主がハンター氏だと特定できないとしつつも、バイデン氏の関係する財団「ボー・バイデン財団」のステッカーが貼ってあったと述べたという。MacBook Proは水によるダメージを受けた状態で持ち込まれており、店主は持ち主に何度も連絡をしたが、持ち主は回収しなかった。昨年12月に店主から連絡を受けたFBIがパソコンを押収した。

店主はFBIに差し出す一方、事前にハードドライブのコピーを取り、これをルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長の代理人、ロバート・コステロ氏に提供。ポスト紙は、スティーブ・バノン元首席戦略官を通じてデータの存在を知り、10月11日にジュリアーニ氏からコピーを受け取ったと説明している。

リペアショップの店主

報道後、リペアショップの店主は、デラウエア州ウィルミントンに住む、ジョン・ポール・マック・アイザック(John Paul Mac Isaac)氏だと判明した。

取材をしたデイリー・ビーストによると、アイザック氏はトランプ氏の熱心な支持者で、取材中、弾劾裁判について「ペテン」などと述べたという。

同氏は、ラップトップを持ち込んだ人物には、持病のために実際に会えなかったとしつつも、「ボー・バイデン財団」のステッカーを理由に、持ち主はハンター・バイデン氏だと考えていると語った。さらに持ち主は3台のラップトップを持ち込んだと明かした。

FBIにラップトップが渡った経緯については、自分から連絡したと述べる一方で、FBIからコンタクトがあったと語るなど、矛盾した発言をしたという。

また、民主党全国委員会(DNC)のスタッフ、セス・リッチ氏の死亡をめぐる陰謀説が、自身を疑心暗鬼にさせたと述べており、自分を守るためにハードドライブのコピーを作成したと説明した。(2016年7月に銃撃により死亡したセス・リッチ氏に関して、強盗による犯行とする捜査当局の見解に反して、DNCのメール漏えいに関わったために、殺害されたとの陰謀説が拡散した。)

一方、ジュリアーニ氏は15日、ラジオ番組に出演した際、ラップトップはハンター氏が置いていったものだと断言。さらに、ハンター氏の署名入りのドキュメントを所有していると述べ、この中で、ハンター氏は、ハードドライブは90日間引き取り手がない場合、店主の所有物になると約束していると述べた。

なおNBCニュースが15日に伝えたところによると、FBIは現在、ラップトップから見つかったメールが、外国の諜報活動に関係しているかどうかについて、調査を行なっているという。

ロシア偽情報キャンペーンの危険性

ニューヨークタイムズは19日、現職または元当局者の話として、米情報機関がホワイトハウスに昨年末、ロシアの諜報員がルディ・ジュリアーニ氏を、ジョー・バイデン氏に関するデマを流すルートとして利用していると警告していたと報じた。

元当局者によると、警告のきっかけとなったのは、12月5日にジュリアーニ氏がウクライナ議会のメンバーのアンドレイ・デルカッチ(Andriy Derkach)氏と会合をしたことだった。デルカッチ氏は親ロシア派で、財務省は今年9月、同氏が10年間以上、ロシアのエージェントとして活動し、2020年大統領選に干渉しようしたと発表。制裁対象に指定した。

ジュリアーニ氏は、自らウクライナに出向くなどしてバイデン氏に不利になる情報を収集しており、弾劾追求の発端となった内部告発書では、ジュリアーニ氏はバイデン親子の捜査をウクライナに働きかけた中心人物だと指摘されていた。

下院で行われた弾劾調査で民主党の主任弁護士を務めたダニエル・ゴールドマン氏は17日、ツイッターで「トランプはロシアがジュリアーニを利用してデマを拡散して選挙干渉をしていると知らされていた」と指摘。「彼は何をした?ジュリアーニの取り組みを奨励して、ロシアの助けを歓迎したのだ」と述べ、「2016年と同じことが起きている。共謀だ」と投稿した。

一方、ジュリアーニ氏本人はデイリー・ビーストの取材に対し、デルカッチ氏がロシアのスパイかどうかは五分五分と主張。「反攻の裏にはジョージ・ソロスがいる」などと述べたほか、制裁は「デルカッチ氏がオバマ氏を沈める可能性があったことから、トランプ氏に問題を起こそうとする情報機関の策略」による結果だと語った。

またトランプ氏はデータについて知っており、ファイルの「一般的な」特徴について報告をしたと明かした。さらに店主は共和党のロン・ジョンソン上院議員、ジム・ジョーダン下院議員にも連絡をしたほか、デビン・ニューネス下院議員もデータを受け取っていると「思う」と語った。

素材がロシアの諜報活動に起因するブリスマ社のハッキングに関連している可能性について、懸念を聞かれると「関係ない。なんの違いがあるんだ」と答えたという。

ニューヨークポスト紙内部でも賛否

ニューヨークタイムズによると、ポスト紙内部でも、素材の真正性に関して十分な検証がなされたか疑問の声が上がっていた。またスタッフらは、情報ソースの信頼性やタイミングについても、懸念を示したという。

同社では11日に、ジュリアーニ氏が提供した素材の扱いについてベテランのコリン・アラン(Colin Allan)氏、編集長のステファン・リンチ(Stephen Lynch)氏、デジタルの編集長を務めるミッシェル・ゴットヘルフ(Michelle Gotthelf)氏の3人が協議をしたという。締め切り前に、編集者はスタッフに記事に署名を入れるよう求めたが、ブルース・ゴールディング(Bruce Golding)氏と少なくとも他の1人が断ったという。

記事には現在、Emma-Jo Morris とGabrielle Fonrougeの2人の名が掲載されている。Morris氏はFOXニュースのショーン・ハニティ氏の番組でアシスタント・プロデューサーを務めた後、4月からポスト紙に参加している。同氏による著名記事は初めてだという。また同氏のインスタグラムには、スティーブ・バノン元首席戦略官、サラ・ハッカビー・サンダース元大統領報道官、ロジャー・ストーン氏と一緒に写る画像が投稿されていた。

一方、Fonrouge氏について、社内の3人が、記事の執筆や報道にほとんど関係がないと語った。Fonrouge氏はリリース後に自分の名が掲載されていることを知ったという。

バイデン陣営は否定

ジョー・バイデン氏の陣営のスポークスマン、アンドリュー・ベイツ氏は14日に、声明で「弾劾中の報道機関によるものや、共和党が主導する2つの上院委員会による調査」でさえも「ジョーバイデンはウクライナに対して公式に米国の政策を実行し、不正には関与しなかった」と結論づけたと発表。

さらに「バイデン氏の当時の公式スケジュールを調査したが、会合はなかった」として、バイデン氏とブリスマ社幹部との面会を否定した。

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