ブリスマ幹部、ハンター氏を通じてバイデン氏と面会か、NYポスト紙

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Pix_Arena : Shutterstock.com

ニューヨークポスト紙は14日、ジョー・バイデン氏の息子、ハンター氏と、ウクライナの天然ガス会社ブリスマ社の経営幹部との間で交わされた電子メールの内容を公開し、ハンター氏が同幹部に当時副大統領だったバイデン氏を引き合わせたと報じた。

メールは2015年4月17日に、ブリスマ社幹部のヴァディム・ポザルスキー(Vadym Pozharskyi)氏からハンター氏に送られたと考えられるもので、この中でポザルスキー氏は「DCに招いてもらい、あなたの父親との面会の機会を与えてくれてありがとう」と感謝の意を記している。ハンター氏は2014年から2019年まで同社の役員に加わっていた。

バイデン前副大統領は在任当時、ブリスマ社の汚職捜査に関し、同国のショーキン検事総長が捜査に消極的だとして、ウクライナ政府に同氏の解任を働きかけた。バイデン氏は後に、2015年12月にウクライナを訪問した際、ポロシェンコ前大統領に対して、検事総長の解任をしなければ10億ドルの融資保証を保留にすると警告したと明かしている。

なお同件に関して、トランプ氏や共和党議員の一部は、バイデン氏の働きかけはハンター氏の不正を隠そうとしたものだと主張している。トランプ氏は2019年、ゼレンスキー大統領との電話協議の中で、軍事支援金の見返りにバイデン親子の調査を働きかけた疑惑が浮上。トランプ氏の働きかけは「権力乱用」にあたるとして、後に弾劾裁判に発展した。

ポスト紙は、ポザルスキー氏からハンター氏に送られたメールは、バイデン氏の「息子の海外におけるビジネス取引について、彼とは話をしたことがない」といった過去の発言と矛盾すると指摘している。

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PCリペアショップからデータ流出

ポスト紙によると、メールデータは2019年4月にデラウエア州にあるリペアショップに持ちこまれたMacBook Proから回収された。

店主はパソコンの持ち主がハンター氏だと特定できないが、バイデン氏の関係する財団「ボー・バイデン財団」のステッカーが貼ってあったと述べている。MacBook Proは水によるダメージを受けた状態で持ち込まれており、店主は持ち主に何度も連絡をしたが、持ち主は回収しなかったとしている。昨年12月に店主から連絡を受けたFBIがパソコンを押収した。

店主はFBIに差し出す一方、事前にハードドライブのコピーを取り、これをルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長の代理人、ロバート・コステロ氏に提供。ポスト紙は、日曜日にジュリアーニ氏からコピーを受け取ったと説明している。

データにはこのほか、2014年5月、役員に加わって間もないハンター氏に、ポザルスキー氏が「影響力をどのように行使できるか」と尋ねる内容なども含まれている。またハンター氏が、女性と性行為をする間に薬物を吸引しているとみられるビデオや性的な画像などが含まれているという。