黒人少年に濡れ衣「ソーホーカレン」家族から訴えられる

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ニューヨーク市のホテルで昨年12月、20代の女性が、黒人少年が携帯電話を盗んだと誤って主張し、少年の携帯を奪おうとした事件に関して、少年の家族が女性とホテル、支配人を提訴した。

訴えは黒人の人権活動家ベン・クランプ(Ben Crump)弁護士が、家族を代表して提起した。報道によると、ホテルは公共施設での差別を禁じる市の人権法に違反したとしている。

カリフォルニア州在住のミヤ・ポンセット(Miya Ponsetto)(22)氏は、ソーホーにある「アーロホテル」(Arlo Hotels)のロビーで、携帯が盗まれたと騒ぎ、その場に居合わせたキーヨン・ハロルド・ジュニア(Keyon Harrold Jr.)さんを誤って非難した。

ポンセット氏は、ホテルの支配人チャド・ネーサン(Chad Nathan)氏に少年が携帯を盗んだと述べ、ポケットの中を見せるよう求めた。後に、携帯はウーバーの車内に忘れていたことが判明。ポンセット氏はホテルで電話を受け取った。

父親は、この出来事を携帯で撮影しており、SNSに投稿。ポンセット氏は「ソーホーカレン」と呼ばれ、世間から大きな批判を浴びた。
ニューヨーク市警察が公表した防犯カメラの映像では、ポンセット氏が少年を追いかけ、引き倒す様子が映っていた。

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少年の父親で、著名なジャズトランペッターのキーヨン・ハロルド氏は事件直後、ニューヨークタイムズに対し、支配人は、女性の主張を疑うことなく「少年を有罪だと思った」と語っている。
ハロルド氏は、当初から人種偏見に基づく行為だとして、ポンセット氏やホテルの対応を非難。黒人の人権活動家アル・シャープトン氏や、ベン・クランプ氏らと共に、市庁舎前で抗議集会を行うなど、女性への法的措置を求めていた。

ポンセット氏は弁護士を通じ、「人種差別的な発言は行っていない」と人種偏見に基づく行為の可能性を否定している。拘束される日の前日、CBSの番組に出演し、「自分はとっても優しい人間で、親子を傷つける意図はなかった」と自身を擁護した。

なおポンセット氏は1月、カリフォルニア州ベンチュラ郡で身柄を拘束された後、ニューヨーク市で、第3級の強盗未遂や重窃盗、子供への有害行為に加え、2件の暴行未遂で起訴された。次回公判は3月29日に設定されている。