「ソーホーカレン」に逮捕要求高まる。嘆願書に10万人

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マンハッタンのホテルで先月、女性が14歳の黒人の少年に、携帯を盗んだと濡れ衣を着せた事件で、女性への法的措置を求める声が高まっている。

ニューヨークポスト紙によると、嘆願書は著名な市民活動家の弁護士ベン・クランプ(Ben Crump)氏がオンラインに投稿した。目標は20万件で、すでに10万件以上の署名が集まっている。

クランプ氏は、少年の父親でグラミー賞受賞歴のあるジャズ・トランペッター、キーヨン・ハロルド(Keyon Harrold)氏の家族の代理人を務めている。嘆願書では「ハロルド・キーヨン・ジュニア氏は、他の世代へとのしかかる人種差別の重み、心のトラウマを一生引きずって生きていくだろう。彼はより良い扱いを受ける資格がある」と署名を求めている。

NY市警察は女性を指名手配

事件があったのは、先月26日。ソーホーのブティックホテルのロビーで、女性が携帯電話を盗まれたと騒ぎ、その場に居合わせたキーヨン・ハロルド・ジュニアさんを誤って非難した。

父親が撮影した映像には、女性がホテルの支配人に少年が携帯を盗んだと主張するほか、ポケットの中を見せるよう迫る様子が撮影されている。後に、携帯はウーバーに忘れていたことが判明。女性はホテルで電話を受け取った。

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その後ニューヨーク市警察(NYPD)が、ホテルの防犯カメラの映像を公開。女性がホテルを出ようとする少年を追いかけ、つかんで倒す様子など撮影されていた。
NYPDのロドニー・ハリソン巡査長は29日、当初女性をハラスメントで逮捕する予定だったとしつつ、暴行罪で起訴するか、さらには重窃盗や強盗未遂として検討する可能性があると発表した。現在、女性を指名手配し、情報の提供を呼びかけている。

ハロルド氏は、女性がぶつかってきた際に、引っかき傷を負ったと語っていた。
一方女性は30日、CNNに電話インタビューで出演し、ホテル側にロビーの監視カメラを確認したいと伝えたことや、ロビーにいた人々に、ポケットを空にするよう求めたと経緯を説明。またハロルド親子と口論の際、暴行を受けたと語った。なおCNNは、女性は証拠を示しておらず、警察の捜査やホテルから暴行の事実は確認できていないと報じている。

人種差別だと非難

ハロルド氏は事件直後から、ニューヨークタイムズのインタビューに人種偏見に基づく行為だと語っている。30日には、少年の母親のカッツ・ロドリゲス(Kat Rodriguez)さんや黒人の人権活動家アル・シャープトン氏と共に、市庁舎前で抗議集会を行っている。

デブラシオ市長も28日のツイートで「人種差別だ。単純、明快だ」と断言。「彼女の振る舞いは市の価値観を侮辱するものだ」と非難した。

女性のふるまいは、人種差別的だとして「ソーホー・カレン」としてSNSでも大きな非難を浴びている。
ニューヨークポスト紙は27日、女性はカリフォルニア州在住のミヤ・ポンセット(Miya Ponsetto)(22)だと報じた
先週末には、ロサンゼルス警察の前でも人権活動家が集い、抗議活動が行われた。