米沿岸警備隊は28日、海底から引き揚げられた潜水艇「タイタン」の残骸から、「遺体と推定される」人体を回収したと発表した。
当初は、海底という「過酷な環境」により、遺体の回収は困難との見方を示していた。
声明によると、今後は海洋調査委員会(MBI)が引き続き調査を行う。米国の医療専門家らが、遺体の「正式な分析を行う」としている。
MBIのジェイソン・ノイバウア委員長は、「壊滅的損失が引き起こされた要因を把握し、類似の悲劇が二度と起こらないよう」調査を進めると語った。証拠や証言などの情報については、沿岸警備隊のウェブサイトの専用コーナーで随時公開していくという。
先端やアンテナなどを回収
潜水艇の破片は、カナダのニューファンドランド州セント・ジョンズにあるカナダ沿岸警備隊の埠頭で、米湾岸警備隊へと引き渡された。
SNSには、先端部分と配線が剥き出しとなったアンテナ、後方部分などが、捜索活動に加わった「ホライズン・アークテック号」から下ろされる様子が投稿されている。
Debris and presumed human remains from the Titan submersible have been recovered and returned to land, the U.S. Coast Guard announced Wednesday, nearly a week after a search-and-rescue operation ended and the vessel’s five passengers were presumed dead. https://t.co/6NJiKLON93 pic.twitter.com/YGo9xmwuMO
— The New York Times (@nytimes) June 28, 2023
破片を発見したのは、米国の海洋リサーチサービス社。同社の遠隔操作機器(ROV)「オデッセウス6K」(Odysseus 6K)が22日、水深約3,800メートルに沈む豪華客船タイタニック号の船首から約500メートル先に、破片を発見した。