500万回再生 タイタン事故のYouTube解説動画が話題に

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先月18日に沈没船「タイタニック号」探索ツアーに出かけた後、無惨にも残骸となって発見された潜水艇「タイタン」。この5人の命を奪った事故を解説したYouTube動画が12日間で500回以上再生されるなど、話題になっている。

動画を公開したのは、登録者数25.7万人のチャンネル「Aitally」。これまでに、戦闘機や戦車、ミサイルなどのメカニズムを3Dアニメーションを使って解説する動画を多数制作している。

タイタン動画は冒頭、潜水艇を襲った「爆縮」に触れ、「物体自体が内側に向かって崩壊することによる破壊のプロセスで、爆発が膨張するのに対し、爆縮では収縮する」と説明。「極度に高い静水圧によって、ほんの数ミリ秒で起きる」と、アニメーション付きで解説している。

タイタンの特徴を、カーボンファイバーを使用した「実験的なデザイン」と述べ、「深海用途でのカーボンファイバーの特性はよく理解されていない。突然ひびが入り、崩壊しかねない」と指摘した。

タイタンが潜航するプロセスや動力、酸素システムなどの仕様、話題になったビデオゲームのコントローラーを使った操縦について解説した上で、「潜水艇はタイタニックの残骸に到達することさえせず、カーボンファイバー製の船体が弱かったために爆縮に見舞われた」と結論づけた。

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同チャンネルの関係者は、ニューヨークポスト紙の取材に、アニメーションは、タイタンの運営元オーシャンゲートのウェブサイトとグーグルから得られた情報や測定値を元に、「Blender」というオープンソースのソフトウエアを使用して制作したと回答した。プロジェクトには3人が関わっており、航空会社でエンジニアの仕事をしていることを理由に、匿名を希望したという。

タイタンの安全性については、以前から専門家らが懸念を示していたが、こうした訴えをオーシャンゲートのストックトン・ラッシュCEOが軽視した問題が指摘されている。2018年、警告を発した従業員を解雇していたほか、国際的な評価期間による認証を受けるべきだと訴えた専門家らに対し、そうした業界標準がイノベーションを阻害しているなどと反論していた。