体内マイクロチップでコロナ感染を検知、米国防総省が開発

334

米国防総省では、人体にマイクロチップを入れて新型コロナウイルスの感染を検知する技術の開発を進めている。国防高等研究計画局(DAPRA)のマット・ヘップバーン博士が、CBSの番組「60minites」の取材に答えた。

DARPAは60年以上前に、ソ連のスプートニク打ち上げに驚いたアイゼンハウワー大統領の命令でスタートした。

感染症医師のヘップバーン博士は、8年前からDARPAに加わっている。局長からは、採用にあたって「君の使命は、パンデミックの可能性を排除することだ」と話されたという。

ヘップバーン博士は、緑色の小さな繊維のような物体の入った瓶を手に取り、「これがセンサーだ」と説明。チップは人体の動きを追跡する類のものではなく、皮下に埋め込むと、継続的に血液を検査するのだという。「体内で科学反応が進行中であることを知らせる。そのシグナルは明日、症状が出るということを意味する」と語った。

シグナルを認識した兵士は、自分で血液を採取し、セルフ方式の検査機械で結果を確認する。判定までは3分から5分だという。感染者をすばやく取り除くことで、軍内部の感染拡大を防ぐ。

Advertisement

昨年、空母のUSS セオドア・ルーズベルトでは1,271人の乗組員にコロナウイルスの陽性判定が出た。家族を含めた国防総省の職員全体では、25万人が感染したという。

番組では、ウイルスを取り除く特別なフィルターを付けた透析装置も紹介された。

「ペイシェント16」と呼ばれるある職員の妻は、家族が試験に同意した際、臓器不全と敗血症性ショックを発症し、瀕死の状態だった。4日間の透析後、数日で完全に回復したという。

医薬品局(FDA)はフィルターについて緊急使用のための承認を与えており、現在300人の重症患者が使用しているという。

国防総省の研究者らはさらに、抗体の検出から、治療薬およびワクチンをすばやく実用化する研究に取り組んでいる。これまでは6カ月から24カ月かかる工程を、DARPAのジェームズ・クロウ博士は、今後は60日間が「ニューノーマル」になると話した。