米国では、一部の高性能兵器や弾薬について、ウクライナに提供可能な備蓄が不足しつつあるという。CNNが複数の当局者の話として伝えた。

当局者の一人は、米国が供与できる余剰在庫は「有限」だとしつつ、戦闘勃発から9ヶ月が経過した現在、特定のシステムが「減少している」と話した。

特に懸念が持たれているのは、155mm砲弾と、肩に担いで発射するスティンガー防空ミサイルで、高速対レーダーミサイル(HARMs)やGMLRS地対地ミサイル、ジャベリン対装甲ミサイルの「追加の生産」を心配する声もあるという。

なお防衛当局者らは、ウクライナに供与する兵器は、米国が有事のために保有している備蓄から提供しておらず、自国の即応性に影響を与えることはないと主張している。国防総省のライダー報道官はCNNに、ウクライナへの兵器供与は「必要な限り」続けるとしつつ、これによって米国の即応態勢が損なわれることはないと強調した。

懸念の理由の一つには、米国の軍事産業基盤が、ウクライナの需要への対応に苦慮しているといった事情がある。

下院情報委員会のマイク・クイグリー議員(民主党)は同局の取材に「ますます厳しくなっている」と指摘。「数日で終了すると考えていた戦争が、数年かかる可能性がある」と述べ、「世界のサプライチェーンが崩壊している時期に、西側はこのような非常にハイレベルな需要を満たすのに困難を迎えるだろう」と見解を示した。

コリン・カール政策担当国防次官は今月行われた意見交換で、記者団に、ウクライナへの兵器の補給が、備蓄と産業基盤、同盟国に圧力を受けているのは「疑いの余地はない」と話した。一方で、政府では当初から、国家が「過度のリスク」を冒さないように集中していると説明。米国の即応性と他地域での主要な有事に対応する能力は損なわれていないと語った。

バイデン政権は先日、新たに4億ドル相当の在庫の引き出し(ドローダウン)を指示した。ドローダウンはロシアの侵攻開始以来25回目となる。発表された兵器には、先月検討が伝えられた「ホーク」防空システムのミサイル、スティンガーミサイル、ハイマースの弾頭のほか、初めて「アベンジャー」防空システム(4基)が含まれた。