米国防総省

バイデン政権は10日、ウクライナに対する追加軍事支援として、新たな防空システムを含む、4億ドル相当の兵器を提供すると発表した。

支援はドローダウンと呼ばれ、大統領権限により在庫からの供与を命じるもの。ロシアの侵攻開始以来、25回目となる。先週金曜日には、ドローダウンではなく、ウクライナ安全保障支援イニシアティブ基金を活用して、T-72B戦車45台を含む4億ドル相当の支援を発表していた。

ロシア軍は9日、物資の補給が困難になったとして、ウクライナ東南部ヘルソン州の州都からの撤退を発表した。ヘルソンはロシア軍が侵攻開始直後に占領した主要都市で、今後は、ドニエプル川の東側に兵力を移動し、新たな防衛線を築くと見られている。この一方で、ドローンや巡航ミサイルを使い、首都キーウを含む主要都市やインフラ施設を狙った攻撃を繰り返している。都市部で大規模な停電が報告されている。

国防総省の発表によると、今回のパッケージには、先月検討が伝えられた「ホーク」防空システムのミサイル、すでに提供を開始しているスティンガーミサイル、ハイマースの弾頭のほか、新たにアベンジャー4基が含まれる。

米国防総省

アベンジャーは、ボーイング社が1980年台に開発し、陸軍に採用された移動式の短距離防空用の地対空兵器で、砲塔にレイセオン社のスティンガーミサイル8発が装填可能な2つの発射ポッドを備える。ハンヴィーに搭載し、移動または静止位置から、低空飛行のヘリや航空機などの標的を特定、追跡、攻撃する。車両から外して、固定位置から使用できるほか、トラックやトレーラーなどの他の戦闘車両にも適合する。1988年に最初のユニットが納入され、2002年までに,1,100台以上が陸軍、海兵隊、州兵に引き渡された。

サブリナ・シン副報道官は10日の会見で、提供にあたり「ホークミサイルやドイツの提供するIRIST、またはわれわれが本日提供するアベンジャーなど、異なるレンジの防空システムの網を構築している」と説明した。

ウクライナの防空に関して米国防総省は、NASAMSを8基提供するとしており、このうち2基はすでに現地に渡ったと伝えられている。先日、ウクライナの議会トップが米連邦議会議員に宛てた書簡で、「C-RAM(Counter rocket, artillery, and mortar)」の提供を求めたとも報じられている。