中国原子力潜水艦 新型弾道ミサイル搭載で米国本土の攻撃可能に、米

166

パパロ米太平洋艦隊司令官は18日、記者団に、中国の原子力潜水艦が新型弾道ミサイルを備え、自国の沿岸から米国本土を攻撃する能力を有していると認めた。米国がこれを認めるのは初めてだという。

ブルームバーグによると、パパロ司令官は、094型原子力潜水艦6隻が「巨浪(JL)3」潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を装備していると説明。ミサイルは「米国を脅やかすために造られた」と主張し、「これらの潜水艦を綿密に追跡している」と加えた。潜水艦のいずれかがハワイ近くで「抑止パトロール」を実施しているかについては、回答を避けた。

国防総省は昨年11月の年次報告で、中国人民解放軍海軍(PLAN)が近く、南シナ海や渤海といった沿岸水域から、米国本土を標的とする能力を獲得するとの見通しを示した。この中で、PLANは原子力潜水艦を12隻保有し、6隻がJL-3の前身に当たるJL-2を備えていると報告した。JL-2について、中国が開発した初めての海上配備型の核抑止力だとしている。

JL-2の射程は7,200キロメートルであるのに対して、JL-3は1万キロメートルを超えると考えられているという。

パパロ司令官の発言に対して中国の環球時報は20日、「米国は下心があり、中国のJL-3潜水艦発射弾道ミサイルを誇大宣伝している」と批判記事を掲載。中国はJL-3の就役を発表していないと反論したほか、「中国の通常の国防の発展を誇大宣伝」し、中国脅威説を高めることで「アジア太平洋地域の存在感を増大し、中国封じ込めの資金を得ようという下心がある」といった軍事専門家の主張を掲載した。

Advertisement