NY地下鉄のホームレス対策を強化。突き飛ばしや刺傷事件相次ぐ

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ニューヨークのエリック・アダムス市長は18日、キャシー・ホークル知事と共にロウアーマンハッタンのフルトン駅で会見を行い、地下鉄で寝泊まりするホームレスの排除などを含む地下鉄安全計画を発表した。

市内の公共交通機関での犯罪は増加傾向にあり、今年の犯罪件数は267件で、昨年同時期(167件)から65%増加した。先月、タイムズスクエア駅でアジア人女性が、ホームレスの男に線路に突き飛ばされ、殺害される事件があった。今月はレイプ未遂や、刺傷事件が相次いで報告されている。

新たな計画では、警察官が、ホームレス局や保健精神衛生局の職員、メンタルヘルスのソーシャルワーカーと連携し、地下鉄規則の違反行為の取り締まりを強化する。来週以降、「複数の座席を占領して寝る、他の利用客に攻撃的な態度を取る、ポイ捨てや不衛生な環境作り出す、移動以外の目的で地下鉄を利用する、タバコや麻薬を使用する」などの規則に違反した場合、警察官に拘束される可能性がある。

ホームレスのアウトリーチチームは、ペンシルベニア駅や、グランドセントラルターミナル駅、ウエスト4ストリート駅、W42ストリートのコリドー、フルトンストリート駅、ジャマイカ駅などに派遣される。

ニューヨークタイムズによると、現在1,000人以上のホームレスが、地下鉄で寝泊まりしているが、移動後の滞在先や予算、タイムラインに関する詳細は明らかにされていない。

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ホームレスの擁護団体からは、アダムス氏の計画を非難する声が上がった。「Coalition for the Homeless」のシェリー・ノーツ氏は声明で、警察部門によるホームレスへのアウトリーチ計画は、これまでに何度も失敗していると指摘。ホームレスと精神疾患を犯罪化することは、解決にならないとしている。