女性が顔に「化学物質」かけられ重傷 NY地下鉄

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ニューヨークの地下駅鉄構内で、利用客が不審な化学物質を顔にかけられ、大やけどを負う事件があった。

事件が起きたのは2日午前1時頃、ブルックリンにあるウィンスロップストリート駅。被害者の女性(21)は、駅のプラットフォームで見知らぬ女に絡まれ、後を付けられた。階段を上がる際、顔に化学物質をかけられたという。

女性はキングス郡病院の職員で、出勤する途中だった。顔の左側を火傷し、病院で手当を受けた。重傷を負ったが、容態は安定しているという。

容疑者は逃走しており、ニューヨーク市警察が動画を公開し、一般人からの情報提供を求めている。

被害者の女性はニューヨークポスト紙の取材に「顔に火がついたような」「これまで経験した中で最悪の痛み」だったと語った。今後、皮膚移植の手術が必要になる可能性があると説明した。

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犯人の女は「意識がもうろうとしており、私に攻撃的だった」という。当初「あなたの子供や母親が突き飛ばされればいいのに」などと、ぶつぶつと呟いており、女性はその様子を携帯電話で撮影していた。女は「私はあなたの全身に液体をかける」と脅した上で、女性の顔に液体の酸をかけた。

攻撃を受けた際、警官は不在で、監視カメラなどもなかったため、自分が動画を撮影していなければ、犯人の姿も分からなかったと述べた。今回の事件や、レイプ、性的暴行など、メンタルヘルスに関わる事件の際には「警官はどこにも見当たらない」と非難したほか、犯人が適切なメンタルヘルスの治療を受けていれば、攻撃は防げた可能性があると主張。「司法制度は正義を果たすことができないと分かっている。われわれには祈ること以外できない」と話した。

市長が精神疾患者の措置入院を指示

エリック・アダムス市長は先月29日、警察や救急隊員に対し、路上や地下鉄構内で生活する重度の精神疾患を持つ人々を、入院させるよう指示したと発表していた。

市の犯罪統計によると、11月27日時点での公共交通機関における犯罪件数は、前年比で33%増加。昨年は1,570件だったが、今年は2,096件にのぼっている。アダムス氏は先月、地下鉄での犯罪が、メンタルヘルスの問題を抱える人々によって増加していると、分析結果を示していた。

市の職員は今後、「周囲に対し、無意識または妄想的な誤解」「健康や身体の状態に対する妄想的な誤解」がある場合、強制的に入院させることができる。実行には、自分自身だけでなく、他人に危害を及ぼす可能性のある人々に、行政が措置入院を命じることができる州法「ケンドラ法」が用いられる。

アダムス氏は会見で、病院に対し、患者の容態が安定し、長期継続ケアに移行することができるまで、退院させないよう命じたと明かした。