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クオモNY州知事 刑事訴追の可能性は?

新型コロナの対応を巡って高い評価を受けたニューヨーク州のクオモ知事だが、セクハラ問題で、窮地に立たされている。

ニューヨークポスト紙は6日、クオモ氏の秘書が、職場でお尻や胸を触られるなど不適切な行為を受けたとして、オールバニ郡保安官事務所に被害届けを提出したと報じた

レティシア・ジェームズ州司法長官は先週、クオモ氏が11人の女性にセクハラを行ったと調査報告書を発表した。この女性は11人の中に含まれており、被害届は、報告書の発表と同じ日に出された。

女性の名は、ブリタニー・コミッソー(Brittany Commisso)さん(32)。報告書では匿名(秘書#1)とされていたが、CBSニュースのインタビューに実名で答えた。

9日の放送を前に一部公開された内容によると、コミッソーさんは、「彼がやったことは犯罪だ。彼は法律を破った」と述べ、「責任を取らなければならない」と告発の理由を述べた。

州司法長官の報告書によると、コミッソーさんへのセクハラは、容姿に対する冗談から始まり、結婚生活や交友関係に関するプライベートな質問、ハグ、頬や唇へのキス、腰やお尻、胸に触れるなど身体的接触にまで及んでいる。

クオモ氏は、「年齢や母親の割には、きれいだ」と容姿について話したほか、服装やスタイリングについて「足を見せたら」「(ドレスを来た際に)その髪型は好きではない」と注文することもあった。また「婚姻中に彼氏がいたことはある?」「夫以外の男性とキスしたことや、性的関係を持ったことは?」などプライベートに踏み込んだ質問をすることもあったと証言している。

なお2019年秋、クオモ氏は14年間恋愛関係にあったセレブシェフのサンドラ・リー(Sandra Lee)さんと破局した。(ニューヨークポスト紙によると、クオモ氏は当時、職員の少なくとも1人と浮気をしており、このことは「公然の秘密」だったという)。

独り身になったクオモ氏は、コミッソーさんに「孤独だ」「座って話を聞いてくれるだけでいい」などと語りかけたり、「誰かガールフレンドになってくれる人を知ってる?」などと質問したりしたという。

コミッソーさんはまた、2019年11月16日、クオモ氏から官邸の2階にあるプライベートオフィスで抱きしめられたとも証言した。クオモ氏は「君はわれわれをトラブルに巻き込むだろう。私は気にしない」と言ってドアを閉めた後、ブラウスの下から手を滑り込ませ、ブラの上から「胸に手を当てて触った」という。

この翌月には、クオモ氏はコミッソーさんにセルフィーを撮ろうと誘われ、お尻を掴まれたと調査員に語っている。

報告書によると、コミッソーさんがクオモ氏からセクハラを受けたことを周囲に相談しなかったのは、(側近の)メリッサ・デローサ氏やステファニー・ベントン氏に知られると、解雇される恐れがあったからだという。

なおクオモ氏はこれらの証言に対し、ハグなどはあったが、不適切に触れたことはないと全面的に否定している。

クオモ氏の代理人リタ・グラヴィン(Rita Glavin)弁護士も6日の会見で、州司法長官らの調査は公平性を欠いていると非難。コミッソーさんが胸に触られたという日(2019年11月16日)は、クオモ氏は他の職員と仕事をしており、「主張は誤りだ」と反論している。

訴追の可能性は?

オールバニ郡保安官事務所のクレイグ・アップル保安官は7日に会見を開き、「犯罪捜査を開始する」と発表。主張が裏付けられた場合、「軽罪に問われる可能性がある」と語った。

ニューヨークタイムズは法律専門家の話として、クオモ氏の行為は、強制的接触の罪として、起訴される可能性があり、最大1年間の禁固刑が科せられる可能性があると報じている

一方、元検察官でコロンビア大学のロースクールで教鞭をとるダニエル・リッチマン氏は、通常はこれらの被害届の提出によって検察局が刑事訴追することはないだろうと同紙に見解を述べている。ただし、知事であることを理由に特別な対応がなされないよう、注意を払わなければならないと語った。

追求はこれに止まらない。セクハラを最初に訴え出たリンジー・ボイラン氏は、自身が出馬したマンハッタン区長選の選挙活動を妨害されたとして、クオモ氏と補佐官に対する民事訴訟を起こす予定だと発表している。

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