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クオモNY州知事の「セクハラ行為」とは

ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は3日、クオモ知事に対する調査報告書を発表。職員や州警察官に対する「連邦法および州法違反となるセクハラ」行為があったと結論付けた。

今年3月、クオモ氏に対するセクハラの告発が相次いだことを受け、ジェームズ氏は2人の弁護士を雇い、外部調査を開始していた。

報告書は168ページに及んだ。経済開発局の事務次官兼および知事室特別顧問を務めたリンジー・ボイラン(Lindsey Boylan)氏や、保健政策顧問を務めていたシャーロット・ベネット(Charlotte Bennett)氏、パーティ会場で出会ったアナ・ルック(Anna Ruch)氏、匿名の役員補佐官のほか、これまで明らかにされなかった州警察官、エネルギー関連会社の社員など11人の女性に対する行為が検証されている。

ジェームズ氏は、部下の胸やお尻、州警察官の腹部や背中に触れるなどしたクオモ氏の行為は、「間違いなく」セクハラにあたると指摘。

さらに性的なことを暗示する性質を帯びたクオモ氏の発言の数々は、個別または全体として違法なセクハラにあたると説明した。

これらには、ガールフレンドを探していると言いつつ、恋人間の年齢差について話したことや、ガールフレンドの基準、一夫一婦制の経験や考え方について尋ねたことが含まれるとした。また部下の魅力や、元彼女との比較について語ったほか、「孤独を感じている」「触れられたい」などの発言、「ストリップ・ポーカーをしよう」と誘ったこと、「タトゥーは肩でなくお尻に入れたほうがいい」などの発言もセクハラにあたるとした。

さらに、女性スタッフを「ハニー」や「スイートハート」「ダーリン」と親しく呼んだほか、額や唇にキスする、腰に手を回して写真撮影をする、自身の膝の上に座らせるなどの行為が、女性スタッフを不快にする職場環境を作り出したと指摘すると同時に、ジェンダーに基づく行為について、単に「昔からの」「文化的な」な表現とするクオモ氏の弁明は、「一連の行為を正当化したり、セクハラではないと主張することはできない」と述べた。

また知事室はセクハラの告発を報告したり、調査したりすることを怠っており、自らの内部方針に違反したと非難した。

なおジェームズ氏は、クオモ氏を起訴する計画はないとしており、州議会や公共に判断を委ねると発表した。

州議会やクオモ氏の反応は

報告書の発表を受け、州議会下院議長のカール・ヘイスティ(Carl Heastie)議員(民主・ブロンクス)は声明で、「心が張り裂けそうだ」と被害者への同情を語った。クオモ氏は「知事職にふさわしくない」として、司法委員会で「徹底的な調査を行う」と表明した。

州議会上院のトップ、アンドレア・スチュワート・カズンズ(Andrea Stewart-Cousins)議員(民主・ヨンカース)は「許容できない」と非難。「調査が終了し、セクハラの申し立てが実証された。知事を務めることができないのは、誰の目にも明らかだ」と、辞任を求める考えを明らかにした。

州都オールバニ郡の地方検事デビッド・ソアレス氏は、クオモ氏に対する刑事捜査を行うと発表している。

クオモ氏は正午過ぎ、テレビで会見を行った。「誰かに不適切に触れたり、誘ったりしたことは、一度もない」とセクハラ行為を否定。公共のイベントで撮影されたキスやハグなどの写真を多数提示しながら、これらは「真心を伝えるためで、それ以上の意味はない」従来の主張を繰り返した。職場環境についても、厳しく指導しているが、有害なものではないと反論している。

3月の会見では、州司法長官による調査で事実が明らかになるまで、「考えをまとめる」のを待って欲しいと住民に訴えかけていたクオモ氏。今後の世論調査の行方に注目したい。

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