ロシアが工作員として殺害した男性、サバゲー愛好家と判明

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ロシア連邦保安庁(FSB)は、ロシア南西部の都市ヴォロネジで、軍事およびエネルギー施設の破壊工作を計画していたウクライナ民族主義の支持者を殺害したと発表した。

ロシア国営のRIAノーボスチ通信によると、FSBの広報センターは「首謀者と共犯者2人は拘束時、ヴォロネジ郊外に以前あった隠れ家から、テロの手段を持ち出そうとしていた」と説明。共犯者らは武装抵抗したため、殺害されたとした。

自宅を捜索した結果、手製の爆弾やその部品、銃器やその他の兵器、弾薬、通信設備を押収したという。

公開された映像には、トランシーバーやナイフ、双眼鏡、サーチライト、迷彩服、ニーパッド、ワッペン、ノート、バナーなどさまざまなアイテムが撮影されている。

サバイバルゲーム、シューティングゲームの愛好家

Screenshot from RIAノーボスチ通信

モスクワタイムズは23日、殺害された2人をソーシャルネットワークで特定したとした上で、サバイバルゲームのプレイヤーで、コンピューターゲーム「S.T.A.L.K.E.R.」のファンだったと伝えた。

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STALKERは、ウクライナのゲーム開発企業GSC Game Worldが制作したファーストパーソン・シューティングゲームだという。

同紙はエアソフトガンのコミュニティの関係者から確認したとしており、殺害された一人の名はウラジーミル・コトフスキ氏で、「Stalker Phosgene」というニックネームで活動していた。

同紙はまた、STALKERの交流ページにある「Stalker Phosgene」の写真の服装が、FSBのビデオにある殺害された人物の服装と一致していると指摘。SNSの過去の投稿画像からも、Stalker Phosgeneの部屋の様子とFSBの動画にある部屋の内装が同一であることが確認できたとしている。

FSBの動画には、緑色の狼のエンブレムが描かれたバナーが撮影されているが、これはSTALKERゲームの特定のグループを示すものだという。

一方、ロシアの国営テレビは、エンブレムをウクライナの極右政党のシンボルだと主張し、コトフスキ氏らをウクライナのテロリストと非難している。

3人が何をしようとしていたか、詳細は報じられていない。Phosgeneことコトフスキ氏は、エアソフトガンのサークルでは、「風変わりな性格」で知られていたという。関係者は同紙の取材に「Phosgeneはアナーキストで反逆者、ウクライナ支持で、規則違反で何度もゲームを禁止された」と明かしたほか、勤勉な労働者であり、反体制派指導者のアレクセイ・ナワリヌイの支持者だったと話したともいう。