抗議デモ参加のアジア人女性が暴行被害。NY市

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マンハッタンで21日、アジア系アメリカ人女性(37)が、抗議デモに向かう途中で、男に殴られる事件があった。

WABCによると、女性は7歳の娘と一緒に、ユニオンスクエアで開催されるアジア人に対するヘイトクライムの撲滅を訴える抗議集会に参加する予定だった。

男は最初、女性に近づき、持っているプラカードを渡すよう求めたという。女性は、男が集会に参加すると思い、カードを渡したところ、それを引き裂き、ゴミ箱に入れようとした。「何をするのか」と女性が聞くと、男に2回顔を殴られ、打撲と切り傷を負った。その後、女性は男を追いかけようとしたが、足首をひねって捻挫したという。

周囲に居合わせた人物が、駅に向かう男を追いかけ、写真を撮影した。この人物は、男には情緒障害があるようだったと語っている。また男はその場で、ズボンを下ろし、プラットホームにいた利用客に下半身を露出したという。

ニューヨーク市警察(NYPD)は22日、ホームレスの男、Erick Deoliveira容疑者(27)を憎悪犯罪による暴行および器物破損の容疑で逮捕したと発表した。

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先週末、アジア人に対する暴行事件が相次いで起きた。19日にはスリランカ出身のナラヤナグ・ボーヒー(Narayange Bodhi)さん(68)が通勤途中、ロウアーマンハッタンを走行中の1トレインの車両で、顔面を殴られるなどの暴行を受けた。容疑者の男は21日夜に、逮捕された。

21日には、66歳の男性がチャイナタウンで暴行されたほか、54歳の女性が、鉄製のパイプで顔を殴られ負傷した。男は女性に「アジア人を罵るためにやってきた」などと叫んだという。NYPDは、Elias Guerrero容疑者(38)は、ヘイトクライムによる暴行や武器の所持、薬物所持などの罪で逮捕した。

ミッドタウンでも同日、41歳のアジア人女性が後ろから掴まれ、路上に引き倒される事件が起きた。容疑者は拘束されており、NYPDはヘイトクライムの可能性で捜査を行っている。

ニューヨーク市でのアジア人へのヘイトクライムは、昨年より急増している。NYPDによると、2019年は2件だったが、2020年は29件に増加。今年はすでに23件が報告されている。