NY地下鉄 68歳のアジア人男性に暴行。男を逮捕

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19日、ニューヨーク市の地下鉄車両内で、アジア人男性が顔面を殴られる事件があった。

被害にあったのは、スリランカ出身のナラヤナグ・ボーヒー(Narayange Bodhi)さん(68)。午後2時40分ごろ、ロウアーマンハッタンを走行中の1トレインの車両で暴行を受けた。警備の仕事に向かう途中だったという。

ボーヒーさんと向かい合わせに座っていたジョージ・オクレップキー(George Okrepkie)さんはNBCニューヨークの取材に対し、男が「この、アジア人。MF!」と叫び、顔面を殴ったり、男性の上に立ち上がったりしたとその時の状況を語った。オクレップキーさんは、男を捕らえようとしたが、フランクリン駅で下車したという。
警察が到着するまで男性を介抱したオクレップキーさんは、「このような年齢の男性を殴るなんて。信じられない」と述べ、攻撃は人種に基づくものだと語っている。
オクレップキーは、顔面から血を流し座席に座るボーヒーさんの様子をSNSに投稿しており、大きな反響を読んでいる。

ボーヒーさんは顔面打撲のけがを負った。家族によると、攻撃を受けた時の記憶は全くないという。

ニューヨーク市警察は21日夜、容疑者の男を拘束。重暴行で訴追したと発表した。犯行の動機などは発表していない。

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市内では週末、アジア人が無差別暴行を受ける事件が相次いだ。21日朝には、チャイナタウンで66歳のアジア人男性が暴行被害にあった。
Fox5ニュースによると、午前9時頃アレンストリートで、男が叫びながら、男性の顔を殴りつけたという。NYPDは容疑者の写真を公開し、情報の提供を呼びかけている。

同日午後ミッドタウンでも、41歳のアジア人女性が路上で暴行される事件が起きた。ニューヨークポスト紙によると午後1時ごろ、ウエスト31ストリートと6アベニューを歩いていたところ、37歳の女がスペイン語で何かを叫びながら、背後から女性を掴んで、押し倒したという。後ほど容疑者は拘束された。警察はヘイトクライムの可能性で捜査を行っている。

ジョージア州で起きたアジア系マッサージ店の連続銃撃事件を受け、犠牲者の追悼式や、ヘイトクライム撲滅に向けた抗議デモが連日開催された。
19日にはユニオンスクエアで、20日にタイムズスクエア、21日にはチャイナタウンで大規模な抗議集会が行われた。

ニューヨーク市内におけるアジア人へのヘイトクライムは2019年には2件だったが、昨年は28件に急増した。

Stop AAPI Hateが先週発表した報告書では、パンデミック期間中の憎悪事件は3,800件近いことが分かった。1,691件(全体の44.5%)はカリフォルニア州、517件はニューヨーク州で発生している。