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NY連邦検事 司法省の辞任発表を否定

ウィリアム・バー司法長官が、ニューヨーク州南部地区連邦地検のジェフリー・バーマン検事の辞任を発表した数時間後、バーマン氏本人は声明で、辞任発表を否定した。

バーマン氏は自身の辞任を司法長官のプレス発表で知ったと述べ、「辞任はしておらず、辞任するつもりもない」と反論。一方、大統領に指名された候補者が上院の承認を得た場合には辞任すると述べ、「それまで、遅延や妨害なく捜査を前進する」と発表した。

バー長官は19日のプレスリリースで、トランプ氏が証券取引委員会のジェイ・クレイトン委員長を次期検事に指名すると発表した。クレイトン氏が上院の承認を得るまでの間、ニュージャージー地区連邦地検のクレイグ・カルペニート検事を7月3日から代理に据えるとし、バーマン氏は辞任すると述べた。検事交代の理由は明かさなかった。

バーマン氏は、トランプ氏の元弁護士、マイケル・コーエン氏に対する捜査で、違法な献金や脱税、議会への偽証などの罪で同氏を3年の実刑判決へと導いた。昨年10月には、トランプ氏の個人弁護士、ルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長の仕事仲間である、東欧出身の実業家2人を、違法献金などの罪で起訴した。2人はウクライナ疑惑に関与していた。さらに現在、ジュリアーニ氏に対する調査を進めていると報じられている。このほか、少女の人身取引の容疑で起訴、勾留中に死亡した富豪ジェフリー・エプスタイン氏の事件について、バーマン氏は今月、エプスタイン氏と親しい仲にあった英ヨーク公爵アンドリュー王子が、捜査に協力するふりをしており、非協力的だと発表。話題となった。

ニューヨークタイムズによると、事情に詳しい人物は、トランプ氏が少数のアドバイザーからなるグループとともに、バーマン氏の解任を検討していたと明かしている。トランプ氏は、コーエン氏に対する追求以降、バーマン氏に腹を立てていたという。

同紙はまた、バーマン氏がトランプ政権ではなく、連邦判事によって指名されたことから、政権が計画通りにバーマン氏を解任することができるか疑問だと指摘している。

司法省は今年2月、トランプ氏の盟友、ロジャー・ストーン氏の求刑について、連邦検察が求めた刑よりも軽い刑を科すよう申し立てた。5月には、マイケル・フリン元大統領補佐官の起訴取り下げを、裁判所に要求した。野党民主党は、バー長官がトランプ氏の私的な政治利害を追求しているとして、批判を強めている。

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