米最高裁判事にみるダイバーシティは?

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先週土曜日に議会上院で承認を得たブレット・カバノー氏が、最高裁判事としての初日を迎えた。カバノー氏は7月にトランプ大統領から指名を受けたが、指名承認公聴会後に、性的暴行や不適切な行いを受けたとする複数の女性が告発。司法委員会は急遽、告発女性とカバノー氏の公聴会を実施したが、両党の溝は埋まらず、事実解明に向けFBIによる期間限定の調査をするにいたった。結局、FBI調査では性的暴行を裏付けるものは見つからず、議会上院は土曜日に承認投票を実施。50-48の賛成多数で承認が決定した。

ニューヨークタイムズによると、米最高裁では、1789年の創設から現在まで、カバノー氏を含む114人の最高裁判事が任命されている。
現在9人の判事は、白人男性5名、黒人男性1名、女性判事3名で構成される。

95%が白人男性判事

1967年に、サーグッド・マーシャル判事がアフリカ系アメリカ人として初めて最高裁判事に承認され、1991年には、クラレンス・トーマス判事がアフリカ系アメリカ人としとして2人目の最高裁判事に就任した。最高裁創設から192年たった1981年には、サンドラ・デイ・オコナー氏が、女性として初めて最高裁判事に就任。ヒスパニック系の判事は近年までおらず、2009年にソニア・ソトマイヨール判事が、女性としては3人目、ヒスパニック系として初めての最高裁判事に就任している。
総合すると、114名の最高裁判事のうち、これまで女性判事は4名、白人以外の判事は3名。白人男性が95%の占めている。

学歴は?

過去30年の最高裁判事は、ハーバード、コロンビア大学またはイェール大学いずれかの出身者で、現在の9名の判事は、いずれもハーバード大学かイェール大学のロースクールを卒業している。またニール・ゴーサッチ判事とカバノー判事は、今回の一連の疑惑で話題となったジョージタウン・プレパトリースクール(高校)を卒業している。
ニューヨークタイムズによると、19世紀末まではロースクールで学ぶことは比較的まれで、初期の判事のほとんどは、ロースクールに通わずに経験豊富な弁護士の指導で育ったという。