トランプ氏2回目の弾劾もあり?新最高裁判事の承認採決を巡って与野党攻防

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20日、ABCの番組「This Week」に出演した民主党のナンシー・ペロシ下院議長は、最高裁判所判事の承認採決を遅らせるために、トランプ大統領またはウィリアム・バー司法長官の弾劾訴追に動く可能性を否定しなかった。

18日にリベラル派のルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事の訃報が伝えられた直後、ミッチ・マコーネル与党院内総務は、新判事の採決を実施する意向を表明した。これに対して民主党議員らは、共和党が2016年にメリック・ガーランド判事の承認手続きを拒否したことを指摘。前例に従って、判事は11月の選挙で勝利した大統領によって選ばれるべきだと反発している。

司会のジョージ・ステファノプロス氏から、上院の候補者承認の動きを妨害するために、トランプ大統領またはバー司法長官を弾劾する可能性があるか聞かれると、ペロシ氏は直接の回答を避けつつ、「われわれには選択肢がある。われわれには手段があるが、これについて今は議論しない」と述べた。

続けて、大統領と取り巻きが「選挙結果を受け入れないと脅迫している」と述べ、「われわれの主な目標は、国民をコロナウイルスから守るのと同様に、選挙の完全性を保護することだ」と語った。また「この政権は、国民の健康や暮らしを守ることに完全に失敗し、経済に影響を及ぼした。命と暮らし、民主主義の生活が脅かされている」と批判した。

「いかなる可能性も排除しないのか」と念を押されると、「われわれは国民の要求に答える責任がある」と述べ「民主主義の公平性を守ることを考える際、すべての手段を使わなくてはならない」と語った。

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民主党の一部では、トランプ大統領の新型コロナウイルスの対応を巡って、2回目の弾劾を求める声のほか、トランプ氏の友人や選挙陣営関係者の訴追に関わる措置や、デモ参加者に対する権力の使用に関して、ウイリアム・バー司法長官の責任追求を求める声が上がっている。

下院で弾劾決議案が成立すると、上院では弾劾裁判を開催しなければならない。Independentは、弾劾裁判にはすべての上院議員が参加することが要求されており、上院司法委員会が本会議の採決の前に実施する、判事の指名承認公聴会の開催が困難になると指摘している。