米有力紙「トランプの勝利阻むのは我々の仕事ではない」バイデン陣営を牽制

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米国の有力紙ニューヨークタイムズとバイデン政権の溝が顕在化しつつあるようだ。

オバマ政権で首席報道官を務めた政治アドバイザー、ダン・ファイファー氏は先月26日、タイムズについて「彼らは民主主義を救ったり、独裁主義者が権力を掌握することを阻止することを自分たちの仕事とみなしていない」「なぜトランプを止めのが自分たちの仕事だと考えることができないのだろうか」と同紙を非難するオピニオンをSubstackに掲載していた

これに対し、ニューヨークタイムズの編集長ジョー・カーン氏はウェブメディアSemaforのインタビューで、「優れたニュースメディアは第四の権力であり、民主主義のもう一つの要」だと主張。民主主義にとって必要なのは、有権者のための「自由かつ公正、開かれた選挙を実施することで、どちらかの候補者に傾倒した報道を行うことではない」と反論した。

さらに、今年の大統領選に関して、世論調査の結果を踏まえ、トランプ氏が「得票数で勝利する可能性がある」としつつ、「それを防ぐのは報道機関の仕事ではなく、バイデンと側近たちだ」と述べた。

また、有権者が抱えるあらゆる問題を取り上げることが我々の役目とする一方、世論調査によると、有権者の関心のトップは民主主義ではなく、1位が移民政策で、2位は経済・インフレ対策だと指摘。トランプ氏に有利だからという理由で、これらの報道を「最小限に抑えるべきだろうか?」と疑問を呈した。中国やロシアの国営メデイアの名前を挙げつつ、「われわれはバイデン陣営の道具になるべきか」「それで何が達成できるのか」と語っている。

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政治サイトPoliticoは先月25日、タイムズとバイデン政権の間で長引く「著しい緊張」関係について、詳細を報じていた。バイデン氏側はタイムズを「傲慢」とみなしており「独自のルールを設け、バイデン氏が本来すべきことをさせるつもりはない」とする一方、タイムズ側はこの対応を「懲罰的」だと考え、「大統領に関する報道をコントロールしようとする過敏なプレス対応」とみなしていると両者の溝を伝えていた。

Politicoの記事が掲載された直後、ニューヨークタイムズも大統領報道に関するステートメントを掲載。冒頭で「民主主義における報道の自由の役割を理解している人々にとって、バイデン氏が現職中、独立系ジャーナリストからの質疑応答を積極的かつ実質的に避けてきたことは問題視すべき」と非難し、メディアが要請するインタビューや質疑応答の「組織的な回避は、重要な規範を損なうだけでなく、今後の大統領が監視や説明責任を逃れるのに用いることのできる危険な前例になる」と警鐘を鳴らした。

Foxニュースによると、バイデン氏は、ニューヨークタイムズとワシントンポスト、ウォール・ストリート・ジャーナルの編集委員会によるインタビューに応じていない唯一の現職大統領だという。

同局のコントリビューター、ジョー・コンチャ氏はFox&Friendsの番組で、投票日当日まで大統領のインタビューは行われない可能性があると述べ、「彼をプロンプターの外に連れ出すと、明らかに後始末に追われるからだ」と皮肉った。さらに「世論調査のトップ5のどこにも、民主主義の保護を求める声はない」と説明。「つまり、ニューヨーク・タイムズと、率直に言いますが、フォックス・ニュースは人々が関心を寄せている問題を取り上げている」と自画自賛した。