トランプ大統領「真相を究明する」 サウジ総領事館の記者殺害疑惑

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イスタンブールにあるサウジ総領事館を訪れた記者のジャマル・カショギ氏(Jamal Khashoggi)が行方不明となった問題についてトランプ大統領は10日、「大変悪い状況だ」「我々は好ましく思っていない」と述べ、「すべて必要なものを要求している」「我々は真相を究明したい」と、事件の解明に努める意向を語った。また、ワシントンポストを通じて、トランプ大統領へ状況を訴えた婚約者のハティス・チェンギス氏(Hatice Cengiz)をホワイトハウスに招き、話を聞くことを明かした。

カショギ氏は、結婚に関する書類を得るためにイスタンブールのサウジ総領事館を10月2日に訪問した。外で待っていたチェンギス氏は、数時間たってもカショギ氏が建物から出てこないことを不安に思い、領事館に聞いたところ、すでに建物を後にしたと告げられたという。

サウジアラビア国籍のカショギ氏は、サウジ政府の政策に批判的な記者として知られ、ワシントンポスト紙に論説を投稿するなど、アメリカで活動していた。同紙への投稿は9月11日付の記事「サウジアラビアの皇太子は”イエメンの残酷な戦争”を終結し、国家の尊厳を回復すべき」が最後となっている。

ニューヨークタイムズによると、トルコ政府関係者はカショギ氏が総領事館内で殺害されたと結論づけている。殺害はカショギ氏の入館後2時間以内に行われ、遺体は骨ノコギリで解体され、国外へ持ち出されたとしている。
これに対し、サルマン皇太子を含むサウジ政府関係者は、疑惑を否定し、総領事館に到着後間も無く建物を後にしたと主張。トルコのエルドアン大統領は、サウジ側の主張を裏付ける証拠を示すべきだと主張している。

ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官は声明で、同件に関して、ジョン・ボルトン大統領補佐官(安全保障問題担当)とジャレッド・クシュナー大統領上級顧問が9日、ムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子と話しあったほか、別途、マイク・ポンペオ国務長官からも皇太子に改めて話をしたことを明かした。いずれの話し合いでも、サウジ側に詳細の情報と捜査プロセスにおいて透明性を保つよう要求したという。

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