下院監視委員長 バイデン親子への調査続行を宣言、ハンター氏司法取引受け

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バイデン大統領の息子ハンター氏と司法省の司法取引の報道が流れた20日、下院監視委員会のジェームズ・コーマー委員長(共和党・ケンタッキー州選出)は声明で、「司法の2段階のシステムが明らかにされた」と非難。バイデン親子に対する調査を続行する姿勢を強調した。

米メディアは同日、裁判所に提出された書類をもとに、ハンター氏が税務に関する2件の軽犯罪を認めるとともに、違法な銃の所有に関する罪を不起訴とすることで合意したと報じた。

ニューヨークタイムズによると、ハンター氏は2017年度と2018年度の税金を期限内に収めなかった問題に関して罪を認め、保護観察を受けることに同意した。2018年に薬物を使用していた期間に拳銃を購入した問題では、不起訴とする代わりに、24ヶ月間薬物を使用しないことと銃器を二度と所有しないことに同意した。

ハンター氏の違法な銃購入の疑いが明るみに出たのは2021年3月。政治ニュースサイトのポリティコは、ハンター氏が2018年10月に購入した際の記録書類を入手し、この中で、薬物使用者または中毒者か否かを問う質問に「No」と答えていたと報じた。

この5年前、ハンター氏はコカイン検査で陽性反応を示し、海軍予備役から除隊されていた。ハンター氏の家族も、薬物使用の歴史について公言している。同年に出版された回顧録「Beautiful Things」では、自ら薬物やアルコール中毒との戦いについても触れている。虚偽記載は訴追されることは滅多にないが、重罪だという。

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ハンター氏が税務に関して捜査対象となっていることを明らかにしたのは、2020年大統領選から1ヶ月後の12月9日。声明では「問題を深刻に受け止めている」としつつ、「私が専門家の助けを得て税務を合法かつ適切に処理したことが示されると確信している」と述べていた。

司法取引の成立には連邦判事の承認が必要で、ハンター氏は数日中にデラウエア州の連邦裁判所に出廷し、税金に関する罪状について有罪答弁を行う予定だという。

コーマー議員は「バイデン大統領の息子ハンター氏に対する司法省の告発は、2段階の司法制度を明らかにしている」と主張。監視委員会の調査によって、バイデン一家が「汚職と影響力の行使、贈収賄のパターンに関与した」ことを示す証拠が増える一方で、「ハンター・バイデンは軽い処罰で済まされている」と非難した。ハンター氏と政府の「馴れ合いの取引」は、「委員会の調査に影響を及ぼさない」とし、「バイデン大統領による一族の策謀への関与の全容を明らかにするまで、休むことはない」と、調査を続行する決意を示した。

先日、機密文書を自宅に保持した問題をめぐって37の罪で起訴されたトランプ前大統領は、Truth Socialで、司法取引を「大規模な隠蔽工作と選挙介入の詐欺」と主張。司法省が与えたのは「交通違反」程度だと非難し、「ジョーは、すっかり疑いが晴れ、2024大統領選に望む準備が整っている」と続けた。