ハンター・バイデン氏 謎の拳銃紛失事件

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ハンターバイデン

ポリティコは25日、2018年にバイデン大統領の息子ハンター氏の拳銃が紛失する事件があり、この捜査の過程にシークレットサービスが関与した可能性があると報じた。

拳銃紛失騒動

事件があったのは2018年10月。デラウエア州警察のレポートによると、2015年に他界した兄の故ボー・バイデン氏の妻で、当時ハンター氏と交際していたハリー氏が、デラウエア州ウィルミントンにある自宅に駐車してあったハンター氏の車の中に38口径リボルバーを発見した。

ハリー氏は、拳銃を近くの高級食料品店まで持って行き、黒い買い物袋に包んで外にあるゴミ箱に投げ捨てた。(ハンター氏は後に警察に、ハリー氏はハンター氏が自殺をするのを恐れたと話している)

同日ハリー氏がハンター氏に拳銃を捨てた件を明かすと、ハンター氏は、拳銃を回収するよう指示したという。しかし、食料品店に戻ると拳銃はゴミ箱から消えていた。店のマネージャーに報告すると、マネージャーから警察に通報がなされた。

店の近くには高校があったため、警察は事件への警戒を高めた。デラウエア州警察は現場で、監視カメラの映像を回収し、店のマネージャーに聴取した。連邦捜査局(FBI)も現場に到着。ハリー氏に加えて、ハンター氏を呼び、事情を聴取した。この際、ハンター氏は、拳銃は射撃訓練のためのものだと説明したという。

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警察官が、拳銃を犯罪に使用したことがあるかと尋ねると、ハンター氏は「聞け。そういうことじゃない。彼女は私が自殺すると思ったんだ」と動揺した様子で答えた。さらにハンター氏が来るまでの間、父親に連絡をしたかと聞くと、否定したという。

聴取を終えると、ハンター氏はハリー氏の家にあった拳銃のケースを取りに戻り、警察に手渡した。ケースには銃のシリアル番号が含まれているという。

シークレットサービス ガンショップを訪問

事件を知る人物の話によると、警察が両氏に事情を聞く間、シークレットサービスが、ハンター氏が拳銃を購入したショップ「StarQuest Shooters & Survival Supply」を訪れた。職員は店のオーナーにバッジとIDカードを提示し、購入時に義務付けられているハンター氏が記入した書類を求めたという。

オーナーが、記録はアルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局(ATF)の権限内のものだとして開示を断ると、職員らはその場を立ち去った。その後、ATFも記録を調査するために店を訪れたという。

2018年には、シークレットサービスはバイデン家族に警護を提供していなかった。同局の報道官はポリティコに、事件に関わった記録はないと答えている。ある捜査当局者は、当時は地方事務所の個々の職員が、非公式に元副大統領にセキュリティを提供していたと話しているが、これについても明確な回答は得られていない。

状況を知る人物によると、拳銃は数日後、店のゴミ箱をあさってリサイクル品などを集めている老人から返却されたという。

購入時の書類に虚偽記載

ポリティコが入手した記録書類によると、拳銃は2018年10月12日に購入されていた。ハンター氏はこの中で、薬物使用者または中毒者かどうかの質問に対して「No」と答えていた。

この5年前、ハンター氏はコカイン検査で陽性反応を示し、海軍予備役から除隊されていた。ハンター氏の家族も、薬物使用の歴史について公言しているほか、来月に出版を予定する回顧録「Beautiful Things」では、薬物およびアルコール中毒との戦いについても触れている。

ポリティコは、虚偽記載は訴追されることは滅多にないが、重罪だと指摘している。

これに加えて、ある捜査当局者は、もしシークレットサービスがバイデン一家の代わりに事件に関与していたならば、デラウエア州警察とFBIがすでに捜査に着手しており、不適切な介入にあたると述べているという。

ホワイトハウスの報道官は同サイトの取材に、バイデン大統領はシークレットサービスの事件への関与については知らず、当時は本人または家族のいずれも被保護者ではなかったと答えている。