NY州 クラスター地域をロックダウン。感染封じ込めに新対策

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ニューヨーク州のクオモ知事は6日、クラスター感染を抑制するため、新たなプログラム「Cluster Action Initiative」を開始すると発表した。

同プログラムでは、クラスターの発生しているエリアに加えて、周辺地域を警戒区域と予防区域に分け、区域に応じて、集会や事業再開に関する新たな制限を適用する。規制地域は従来の郵便番号に基づく方法ではなく、感染者数に応じて割り出し、地図上にレッド、オレンジ、イエローの3色に視覚化して指定する。

クラスターが発生しているエリアはレッドで、最も厳格な規制を実施する。礼拝所は定員の25%もしくは最大10人に限定。大人数の集会は禁止され、飲食店はテイクアウトのみ、学校や非必須事業以外の事業は閉鎖される。

集会の禁止に違反した主催者には、最大15,000ドル(約158万円)の罰金が科せられる。新規制は7日から9日の間に施行し、少なくとも14日間継続する。

ニューヨークでは、ブルックリンやクイーンズ、ロックランド郡、オレンジ郡で集団感染が発生している。これらの地域には超正統派ユダヤ教徒のコミュニティがある。

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クオモ氏は会見で、感染が拡大した地域の集会は「全て違法なものだった」と述べた。「集会は感染を引き起こし、クラスターの原因となる。それは、市中感染へとつながる」とし、政府が介入することで、循環を断ち切る必要があると強調した。

州と市で意見の食い違い

デブラシオ氏は今週日曜、クオモ氏の許可が出た場合、陽性率が3%を上回る9地区の学校や非必須事業を、7日から閉鎖する計画を発表していた。

しかしクオモ氏は昨日、事業の閉鎖には綿密な調査を要するとして、6日より学校のみ閉鎖し、礼拝所での集会の取り締まりを強化すると述べた。

規制の区分けについても州と市で意見が分かれている。デブラシオ氏は郵便番号は市民の認知度が高く、より広範な地域をカバーすることができるとして、郵便番号の地域別に閉鎖を求めた。一方、クオモ氏は、郵便番号では陽性率が上昇する地域をカバーできない可能性があると主張。デブラシオ氏は「われわれは急いで行動しなければならない」と述べ、最終的に州の決定に従う姿勢を示した。

ロックダウンを巡る両者の相違に、ジュマーニ・ウィリアムズ(Jumaane Williams)市政監督官は声明で「パンデミック初期に起きた2人の争いを彷彿とさせる」と述べ、「両者が一貫しているのは、それ以来、不一致であり続けていることだ」と指摘。「遅延とパワープレイで命が失われた3月中旬の繰り返し」だと述べ、「適切な対策を講じなければ、再び大感染が発生するリスクが生じる」と警告した。