米議事堂襲撃、内部に共犯者の可能性、クライバーン議員

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バイデン次期大統領の認定に反対するトランプ支持者らが議事堂に乱入し、占拠した事件について、民主党下院ナンバー3のジェームズ・クライバーン下院院内幹事はCBSニュースに、内部に共犯者がいるとの見方を示した。

クライバーン議員(サウスカロライナ)は、他の議員のスタッフらが、暴徒がサイドドアから入場を許可されるのを目撃したと話していると説明。磁気探知器のあるメインエントランスではなく、サイドドアから入れるよう「建物内の何者かが共犯した」と語った。

またほとんど知られていない自身の機密のオフィスの外で「活動」があったと指摘。「名前が掲示されているオフィスに手をつけられなかった」が、「私がほとんどの仕事を行なっている部屋」のフロアとドアの外に暴徒がいたと語り、「何かが行われていた」と述べた。

さらに当日朝、議事堂に到着した際、「境界線」が確立されておらず、普段は警備員の少ない場所に全員が出ており、「階段に警備員がいなかった」と指摘。警備体制に「何らの誤り」があったと述べ、だからこそペロシ議長は、議会警察(USCP)のトップと議会守衛官に辞任を要求したのだと語った。

スティーブン・サンドUSCP長官は7日、16日付で辞任をすると発表した。さらに同日、ペロシ議長とマコーネル共和党上院院内総務はそれぞれ、ポール・アービング下院守衛官とマイケル・ステンガー上院守衛官が辞任すると発表した。

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ワシントンポスト紙によると、ホワイトハウス近くの広場「エリプス」でトランプ大統領が演説した後、約8,000人の抗議者がペンシルベニアアヴェニューを議事堂に向かって行進した。議事堂外側の境界線は15分で破られ、当日配備されていた1,400人の議会警察はすぐに圧倒されたという。

暴徒と化した抗議者は午後2時直前に議事堂に乱入。バイデン次期大統領の認定のため、午後1時からスタートした両院合同議会に参加していた議員らは退避を余儀なくされた。

事件により、警察官のブライアン・シックニック氏や、退役軍人のアシュリー・バビット氏を含む5人の死者が出た。

暴徒は上院議場やペロシ議長の事務室などにもドアを破って侵入。ペロシ氏の事務室では鏡がなどが破壊されたほか、封筒やプレゼンテーション用のパソコンが盗まれたと報じられている。

ペロシ氏はCBSの60ミニッツに、暴徒が事務所に到達した際、若手のスタッフらは、スタッフルームのドアにバリケードをし、明かりを消して机の下に隠れたと状況を語った。スタッフらは2時間半身を潜めていたという。この時スタッフが録音した音声には、暴徒がドアを激しく叩く音が収録されている。

ペロシ氏は、暴動は「立法府に対する大統領による暴行」と非難。さらに「巧みに計画された、指導者と指令を伴う組織化されたグループによる」犯行であることを示す証拠があると述べ、「指令は人々を捕まえに行けというものだった。彼らは大声で、”議長はどこだ、彼女にスタッフがいることを知っている、このどこかにいるんだろう、奴らを見つけてやろう”と喚いていた」と語った。

議事堂乱入事件のタイムライン