ツイッターのCEOに就任したイーロン・マスク氏が19日夜、トランプ前大統領のツイッターアカウントの凍結を解除した。これに、トランプ氏と対立しているはずのリズ・チェイニー下院議員(共和党・ワイオミング州)が歓迎の声を上げている。

昨年1月6日の米議会議事堂襲撃事件を調査する米下院の特別委員会で、チェイニー氏は副委員長を務めている。19日、トランプ氏のツイッター復帰が発表されたのを受け、自身のツイッターアカウントに今年7月に行われた委員会の公聴会の動画リンクを添え、「トランプがツイッターに戻ってくるのなら、この公聴会の動画を見るには良いタイミングだ」と投稿。「動画では、消去されたものも含め事件当日のトランプのツイート一つ一つに触れているし、トランプ政権スタッフらが暴動の間、彼(トランプ氏)が言い訳できない行動を取っていたと証言する様子をフィーチャーしている」と、公聴会の活動を改めてアピールした。

トランプ氏のアカウントは、昨年1月8日に「(バイデン氏の)大統領就任式には出席しない」という投稿を最後に凍結されたが、マスク氏の発表から間もなく過去のツイートの閲覧やフォローが可能になった。昨年1月6日、事件当日のトランプ氏の投稿件数は10件を超え、その中には、2020年の大統領選について「不正があったと分かったのだ(中略)彼らに再投票をさせろ。強気で行け!」という嘘の主張や、「ペンス副大統領は選挙結果を覆せる」などと、議会の選挙結果承認で議長を務めたペンス氏の役割を誤解させる内容、「選挙は盗まれた」と支持者を鼓舞する演説の動画もある。

消去されているが、事件の真っ只中に、マイク・ペンス副大統領を「国と憲法を守るためになすべきことを実行する勇気がなかった」と痛切に批判していた。このツイートは、ペンス氏が議場から避難した数分後に投稿されたもので、ペンス氏は最近のテレビインタビューで「非常に腹が立った」と率直な思いを吐露。「トランプ氏の言うことは無謀だ。彼は明らかに、自分から問題の一部になることを決めた」と厳しく非難した。

下院特別委員会では、議会襲撃事件におけるトランプ氏の責任を追及しており、自分の支持者らが暴動を起こしていた最中にも騒ぎを止めようとせず、ツイートの投稿に明け暮れたことにも焦点を当てている。6月から7月にかけて行われた公聴会では議会の警備担当者や政権幹部、トランプ氏の側近などから聞き取りを行った。特にマーク・メドウズ元大統領首席補佐官の側近だったカシディ・ハッチンソン氏が、「トランプ氏は議事堂の(暴動の)様子を見に行こうと、自ら車のハンドルを握ろうとした」と証言した際には大きな注目を集めた。

委員会は今月14日を期限にトランプ氏本人を召喚していたが、トランプ氏がこれを拒否。チェイニー氏は委員長のベニー・トンプソン下院議員(民主党)と連名で声明を出し、「トランプ前大統領は当初、委員会で証言すると表明していたにもかかわらず、訴訟を起こして裁判所に頼んで証言を免れようとした」と非難した。

トランプ氏のツイッター復帰を歓迎するチェイニー氏の投稿に対し、ユーザーからは賛否の声が寄せられた。「あなたのリーダーシップに感謝します」「あなたが国を救ってくれた。真の愛国者だ」と信念を貫く姿勢に好意的な声が上がる一方で、「39ポイント差で負けたよね」「もう諦めて」など、中間選挙の予備選で敗北し議員の座を追われたことを指摘する厳しい声もあった。