22日、ボイスコーチとして活躍していたバーバラ・マイヤー・ガスターン(Barbara Maier Gustern)さん(87)が突き飛ばされ、死亡した事件で、容疑者の女が弁護士とともに、マンハッタンの警察署に出頭。過失致死罪などで起訴された。複数メディアが報じた。
起訴されたのは、ロングアイランド出身のローレン・パツィエンツァ(Lauren Pazienza)被告(26)。マンハッタンの刑事裁判所は保釈金について50万ドルの現金、または100万ドルの保証を命じた。次回の出廷は25日を予定している。
This just happened in Chelsea. @NYPDnews says 26yo Lauren Pazienza turned herself in. She covered her face with her hair as officers led her out of the 10th pct. She’s accused of pushing and killing 87yo Barbara Gustern. pic.twitter.com/hCFBwbSrFo
— Erica Byfield (@EricaByfield4NY) March 22, 2022
ガスターンさんは10日午後8時半頃、チェルシーの自宅近くの路上でタクシーを待っていたところ、背後からいきなり突き飛ばされ、道路に頭部を強打した。病院に搬送され、16日に死亡した。意識を失う前、ガステーンさんは警察に、交差点にいた見知らぬ女性が近づいてきて、「Bitch」と罵り、突き飛ばされたと話していた。遺族は、外傷性脳損傷を負ったと話しているという。
ガステーンさんは長年ボイスインストラクターとして活躍しており、歌手デボラ・ハリーや、ブロードウェイミュージカル「オクラホマ!」のリバイバル公演のキャストのボイスコーチを務めた。事件のあった日は、パブリックシアターのJoe’s Pubに生徒のパフォーマンスを観に行く予定だったという。
パツィエンツァ被告
被告は、ロングアイランドのポートジェファーソン出身で、クイーンズのアストリアで婚約者と暮らしていた。ニューヨークタイムズによると、現在取り下げられているLinkedInのページで、被告は、高級家具店のRoche Bobois(ロッシュ・ボボア)でイベントコーディネーターとして働いているとしていた。同社は取材に、被告は昨年12月に退職したと回答しているという。デイリーメールは公の記録をもとに、アストリアの物件について、2019年に54万ドル(6,500万円)で売却され、婚約者が親戚とともに所有していると伝えている。
検察は、被告はSNSの全てのアカウントや結婚式のウェブサイトを削除するなど、逮捕を逃れる努力をしていたと主張している。被告が実家に隠れているとの情報をもとに、刑事がポートジェファーソンの両親の家を訪れた際、父親は娘はいないと答え、立ち入り調査を拒否したという。
ガステーンさんを突き飛ばした約20分後、近くで婚約者と口論をしており、救急車が到着する様子を近くで見ていたという。
有罪となった場合、最高で25年の禁固刑が科せられる可能性がある。動機については不明だという。
被告の弁護人は、ニューヨーク州の著名な弁護士、アーサー・アイダラ氏が務めている。アイダラ氏は、ルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長やハーヴェイ・ワインスタイン、FOXの故ロジャー・アイルズ、アラン・ダーショビッツなど、数々の大物の代理人を務めたことで知られる。
ニューヨークポスト紙によると、アイダラ氏は事件について、「歩道にいる人を押す」のは「崖の前にいる人を押す」または「走行する電車の前にいる人を押す」のとは異なると主張。法廷で、検察側の求める罪が重すぎると述べたという。