NYで最悪?ポートオーソリティ・バスターミナル ついに建て替え計画発表

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ニューヨークニュージャージー港湾公社(Port Authority of New York and New Jersey、PANYNJ)は21日、ミッドタウンにあるポートオーソリティ・バスターミナルの建て替え計画を発表した

1950年に開業した同ターミナルは、老朽化による水漏れや混雑、動線の分かりにくさなど苦情が多数寄せられていた。当初、1日あたり6万人の利用者を想定しており、1981年に増改築されたものの、パンデミック前には平日の利用者数は平均26万人に達していたという。
コメディアンのジョン・オリバー氏に「地球上で最悪の場所」と揶揄されたこともある。

ポートオーソリティバスターミナル
mashupNY

建て替え後、ラッシュアワーのバスの本数は、850本から1,000本へと増加し、電気バスの乗り入れが可能となる。敷地内には緑地スペースが加わり、4棟の高層ビルが建設される。
PANYNJは、2040年までに平日の利用者は30%増加し、33万7000人になると推定している。

(Port Authority of New York and New Jersey)
Port Authority of New York and New Jersey

ニューヨークタイムズは、建設費用は約100億ドル(約1.03兆円)を予定しており、完成までに約10年かかる可能性があると伝えている。
財源は、PANYNJの2017-2026の30億ドルの資本計画に加え、連邦政府の資金援助と、高層ビルの開発権の売却などによって賄う予定だという。

ミッドタウン・ウエストの再開発

Port Authority of New York and New Jersey

クオモ氏は15日、今年の施政方針演説で新駅舎「モイニハン・トレインホール」とハイラインの拡張工事、ポートオーソリティ・バスターミナルなどを含む「ミッドタウン・ウエスト」の再開発プロジェクトを発表した。開発には510億ドル(約5.3兆円)を投じ、19万6,000人の雇用を創出する。クオモ氏は声明で「ニューヨークにふさわしいワールドクラスの交通ハブへと変わるターニングポイントとなる」と語っている。

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モイニハン・トレイン・ホール ケヒンデ・ワイリー(Kehinde Wiley)
2021年1月1日に開業したモイニハン・トレインホール (mashupNY)

ニューヨークでは老朽化した交通インフラの再建に力を入れており、これまでにジョン・F・ケネディ国際空港のTWAフライトセンターや、ラガーディア空港のターミナルBがオープンした。
今月1日には、建設費用16億ドルを投じたペンステーション駅の拡張工事が完了し、モイニハン・トレインホールが開業した。2023年までには、JFK空港に新ターミナルが開設される予定となっている。