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「パンデミックヒーロー本」で稼いだ6億円の返還を NY州 クオモ前知事に命令

ニューヨーク州の公共倫理合同委員会(JCOPE)は14日、クオモ前ニューヨーク州知事に、出版社との契約金510万ドル(約5.8億円)を返還するよう命じた。

クオモ氏は2020年10月、パンデミックとの戦いや、災害時のリーダーシップのあり方を綴った回顧録「アメリカン・クライシス」を、クラウン社から発売した。出版当時、「自画自賛本」「災害で金儲け」などの非難の声が上がったものの、人気絶頂だったクオモ氏の著書は、ニューヨークタイムズのベストセラーにもランクインした。

出版社は既に、312万ドルを支払っており、今後2年間で、200万ドルが、分割で支払われる予定だった

税金や経費を差し引いた後、クオモ氏が受け取った金額は、約153万ドル。クオモ氏は、このうちの50万ドルを、新型コロナの救済に関連する団体「United Way of New York State」に寄付し、残りを3人の娘のために、信託財産にしたと報じられている。

州のリソースを私的利用

執筆にあたり、クオモ氏が州の職員やリソースを私的に利用した疑いがあるとして、州司法長官や州議会が調査を行なっていた。

ニューヨークタイムズによると、JCOPEは先月、クオモ氏が州のリソースを使用しないという誓約に違反したと結論づけた。

州議会が実施した調査では、ある上級補佐官が、1,000通以上のメールを送受信するなど、執筆作業に深く関わっていたことが明らかになった。

これに対して、クオモ氏側は、側近らは自分の時間を使い、自発的にプロジェクトに参加していたと主張。疑惑を否定している。

JCOPEは、出版社から受け取った報酬と同額を、30日以内にレティシア・ジェームズ州司法長官に返金しなければ、没収するとしている。ジェームズ氏はその後、出版社に返還するか、州で預かるかを決定する。

クオモ氏の代理人は、決定は「違憲かつ越権行為」と非難。「事実や法律でなく、政治的利益」によるものだとして、法廷闘争の構えを示している。

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