米大学生のマリファナ使用割合 過去35年間で最高に

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米国の大学生がマリファナを使用する割合が、過去35年間で最高となったことが、ミシガン大学(University of Michigan)の調査で分かった。

2018年の調査報告書「Monitoring the Future Panel」によると、フルタイムの大学生(19-22歳)の43%が、過去1年間に少なくとも1度、何らかの形でマリファナを使用したことがあると回答した。前年の38%から5%増加した。過去30日以内にマリファナを使用した割合は、21%から25%へと増加した。
調査は1980年より毎年実施されており、1980年から1983年は現在よりも使用割合が高い。(大学でのマリファナ使用が蔓延していた60年代から70年代については調査記録がないため、比較はできないという。)

同世代(19-22歳)の非大学生で、過去1年にマリファナを使用した人は、大学生と同じ43%だった。過去30日以内にマリファナを使用した割合は、27%だった。

ほぼ毎日(過去30日のうち20日以上)マリファナを使用する人の割合は、大学生で5.8%、非大学生で11.1%と、その差は2倍となった。

同機関のジョン・シュレンバーグ(John Schulenberg)主任調査員は、非大学生の日々の使用量が多いことについて、「20代は脳がまだ発達過程で、外科医の報告にあるように、マリファナを大量に使用することは、科学的証拠によって、認知機能やメンタルヘルスに有害な影響を与える可能性がある。」と懸念を表明した。また大学生のマリファナ使用に対し、「われわれの研究でも、頻繁に使用することは、学業不振と落第に関係があることが分かっている。」と学校の成績との関連性を述べた。

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マリファナ使用が増加した理由に関して、1991年には、若年成人の約75%が、マリファナの使用に危険が伴うと思っていたが、2018年には22%まで減少し、過去最低を記録した。同大学は、マリファナの使用の増加は、リスク意識の低下が原因の一つとみている。

電子タバコの利用者が急増

電子タバコ(ベイプ)を使用したマリファナやニコチンの摂取も大幅に増加している。

過去30日間に、電子タバコでマリファナを吸引した大学生は、5.2%から2018年には10.9%となり、2倍に増加した。一方、非大学生の間では、8ポイント増加した。
また電子タバコでニコチンを摂取する大学生は、6.1%から、2018年には15.5%となり10ポイント近く増加した。非学生の間では、7.9%から12.5%に増加している。

なお、米疾病予防管理センター(CDC)は6日、33州とアメリカ領ヴァージン諸島から、電子タバコの使用に関連した450以上の肺疾患の症例が報告されていると発表。またカリフォルニア、イリノイ、インディアナ、ミネソタ、オレゴンで計5人の死亡を確認したことを明らかにした。