米男性 モデルナとファイザー両方のワクチンを誤って接種

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ニューハンプシャー州の男性が、会場側のミスで1回目と2回目で異なるメーカーの新型コロナウイルスのワクチンを接種してしまうというハプニングがあった。州当局は、これによる体への危険はないとしており、男性も今のところ体調に異変はないという。地元テレビ局WMUR9が伝えた。

ニューハンプシャー州レンプスターに住むクレイグ・リチャーズさん(Craig Richards)は、モデルナの1回目のワクチンを接種済みだったが、今月13日に2回目のワクチン接種を受けに同じ会場を訪れた際、誤ってファイザーのワクチンを打たれたという。

2回目の接種時、職員から「準備はいい?」と聞かれて「もちろんだ」と答えたというリチャードさん。注射をした直後に「彼は私のワクチン接種カードを見て、自分がファイザーのワクチンを誤って打ったことに気づいたようだった」と語った。

職員を見つめて「間違ったワクチンを打ったわけじゃないよね?」と聞くと、「逃げ出した」という。リチャーズさんは、自分が怒りで、本当に怖い顔をしていたのかもしれないと振り返った。

その後、上司がやってきて、2つの異なるワクチンを接種しても問題はないと説明を受けた。上司は「良いお知らせは、あなたが接種を完了したということです」と話したという。それでもリチャーズさんは困惑と不安を拭えず「こんなのありえないって感じた」と語った。

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今のところリチャーズさんの健康に異変はないが、今回の一件をリチャーズさんは未だに心配していて、もっと情報が欲しいと話している。「ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチン接種が中止され、そんな中で自分は様々な不安を抱えたまま何もできない。無茶苦茶な対応だ。何かがおかしい」と心境を口にした。

異なるメーカーのワクチン接種を受けるのは安全?

リチャーズさんのように、1回目と2回目で違うメーカーのワクチンを接種したケースの安全性について、同局は複数の専門家に取材を試みたが、全員、実証データがないことを理由にコメントを控えた。

一方で、ニューハンプシャー州保健福祉局は14日に発表した声明で「ワクチンを混同した場合、同一のものと同等の有効性があるかに関する臨床研究はない」としつつ「(CDC・米疾病対策センターの)ガイダンスが推奨するとおり、1回目のワクチンと同メーカーのものが2回目の接種で確保できない場合、別メーカーで代用しても安全だ」と説明。「予防効果は十分にあり、3回目の接種については、必要または推奨もされていない」と発表した。

CDCのウェブサイトで、ワクチンをミックスした場合の「安全性と有効性については未検証」で「ワクチン接種は同一メーカーで行うべき」だとしている。また同じワクチン製品がない場合、2回目の接種を遅らせる(最大6週間まで)ことが好ましいと説明している。ただし、例外的な状況(最初のワクチンが特定できない場合など)、またはうっかりして「異なるメーカーの新型コロナウイルス用mRNAワクチンを接種した場合、追加でいずれかのワクチンを接種することは、現段階では推奨しない」としている。