「クラーケン」弁護士 有罪を認める

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2020年大統領選挙への違法な介入行為をしたとしてトランプ前大統領とともにジョージア州フルトン郡の大陪審によって起訴されたクラーケン弁護士こと、シドニー・パウエル氏が有罪を認めた。パウエル氏は8月にRICO法違反をふくむ7つの罪で起訴されていた。

昨日法廷に提出された資料によると、パウエル氏は検察との司法取引の一環で、選挙職員の職務遂行を意図的に妨害するなど6件の軽罪について有罪を認めることに同意した。

NBCニュースによると、パウエル氏は6年間の保護観察を受け、6,000ドルの制裁金およびジョージア州への2,700ドルの返還金を支払うことに同意。さらにジョージア州の市民に謝罪の手紙を書くことや関連する裁判で証言することで検察と合意に至った。

なお、当初は無罪を主張し、10万ドルの保釈金を支払うとしていた。司法取引の合意により、最初に提起された罪状は取り下げられると報じられている。

パウエル氏といえば、ジュリアーニ氏の「黒い汗」が話題になった2020年11月19日のトランプ弁護団の記者会見に加わり、全国的に知られる存在になった。会見では、ドミニオンの投票機にトランプ票をバイデン票に変更するアルゴリズムがセットされ、アルゴリズムがうまく機能しなかった接戦州では、民主党員が偽造した郵便投票を追加する秘密工作が行われたなどと主張。さらに背後でベネズエラやキューバ、中国などが影響を及ぼしているとも述べていた。

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その後、FOXビジネスの番組で「クラーケンを解き放つ」と投票不正を示す証拠を空想上の怪物に喩えると、SNSで拡散され、クラーケン弁護士の愛称で呼ばれるようになった。

突飛な主張は、トランプ氏さえ「クレイジー」と認めたほどだった。選挙から1ヶ月以上がたった12月18日、トランプ氏はジュリアーニ氏やパウエル氏らとホワイトハウスで行ったミーティングで、接戦州の投票機を押収する計画とともに、パウエル氏を特別検察官に任命して、ジョージア州などで投票不正に関する捜査を推し進める案を話し合っていた。

表向きの主張とは裏腹に、ジョージアとミシガン、アリゾナ、ウィスコンシンに提起した「クラーケン」訴訟は、いずれも棄却された。

ドミニオン社から名誉毀損で提訴されると、主張を一転。「合理的な人物」はドミニオンの選挙不正に関わる自分のコメントを「事実の主張」だと考えないと述べるなど、自虐的な作戦を展開し話題になった。

トランプ氏を含む無実を主張している他の被告の公判日はまだ確定していない。トランプ氏の弁護士はNBCの取材に、パウエル氏による「真実の証言」が得られることで、トランプ氏にとって返って有利に働くだろうと述べたという。