元トランプ陣営弁護士、ジョージア州でQアノン関連人物の宣誓供述書を提出

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米複数メディアは、元トランプ弁護団のシドニー・パウエル氏が1日、大統領選挙に関するジョージア州の訴訟の証拠として、画像掲示板8kunの元管理者、ロン・ワトキンス氏の宣誓供述書を提出したと報じた。

ワトキンス氏は、現在日本に住んでいると供述している。

パウエル氏は先週、ジョージア州の連邦地方裁判所に起こした訴えで、投票機や郵便投票、ベネズエラの故ウゴ・チャベスに関連づけた問題のほか、投票用紙の捏造や、選挙監視人が集計を監督できなかったことなどを主張している。

8kunは、Qアノン陰謀論のフォロワーの間で「Q」として知られるユーザーが、メッセージを投稿することで知られる。オーナーは父親のジム・ワトキンス氏。前進の8chanは、2019年8月、エルパソ銃乱射事件をきっかけに、オンラインセキュリティ企業がサービスを停止。これによりオフラインとなったが、約3カ月後に8kunとして再開した。エルパソ事件では、犯人が犯行声明を投稿していた。

ワシントンポスト紙は、ワトキンス氏の宣誓供述書には、実際の証拠は含まれていないと指摘。ドミニオン社の投票システムのユーザーガイドの情報から、バイアスのある選挙職員による不正を「可能性の範囲」として推測しているに過ぎないとしている。またワトキンス氏は、自身を「ネットワークと情報防衛アナリスト、ネットワーク・セキュリティ・エンジニア」として9年間の経験を有する「ネットワークと情報セキュリティの専門家」と紹介しているが、この多くが8kun(8chan)を通じたものであることに触れていないと伝えている。

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同紙はまた、宣誓供述書について、Qアノン陰謀論に関連する著名な人物とトランプ氏の法的取り組みとの公式なつながりを初めて示すものだと指摘している。

ABCニュースは今年9月、8kunに投稿されるQのメッセージについて、「1人または複数人によって投稿されているのか、彼らが米国内にいるのか不明である」としつつ、投稿と「明らかに関連がある2人のアメリカ人」はワトキンス親子だと報じた。記事の中で、8chanの開設者でビジネスパートナーだったフレデリック・ブレナン氏は「彼自身がもしQでなくても、Qが誰なのか、彼はいつでも特定することができる」と、インタビューに答えている。なお、ワトキンス親子は以前に、自分達がQであることを否定しているという。

記事では、ワトキンス氏は少なくとも最近までフィリピンに居住していたと報じている。

なお、Qの投稿は2017年以来4,000件に上るが、選挙後はわずか3件にとどまっているという。

ワシントンポスト紙は、ワトキンス氏は先月、8kunの管理者を辞任すると発表し、以来、オンラインの活動の大半をドミニオン社に関する根拠のない疑惑に割いていると伝えている。

ワトキンス氏は1日、動画とともに、ジョージア州Gwinnett郡で、ドミニオン社の従業員がデータをUSBにダウンロードして、票の不正操作をしたとツイート。さらに本人のID画像を投稿した。

ビデオには日付がなく、不正を結論づけるものはないものの、ツイッターや8kun、トランプ支持者のサイトでは、同社員のものと見られるリンクトインページや電話番号、住所、友人の結婚式で花婿の付き添人をつとめた際の写真などが出回った。同社員に対して投獄や拷問、処刑を呼びかけるものもあり、あるツイートでは、本人の名前が明かされ、「反逆罪で有罪」といったコメントともに輪縄の画像が投稿されたという。

ドミニオン社は、従業員に関するコメントは控えるとしつつ、すべての脅迫について、捜査当局に通報しているとしている。

ジョージア州州務長官室のガブリエル・スターリング氏は1日に開いた会見で、ドミニオン社の従業員について「Gwinnett郡の20歳そこそこの技術者が、レポートを読むことができるよう、EMSから一括で郡のコンピューターに転送していたのに、殺害予告や、反逆罪で絞首刑にするべきだといって輪縄を受けた」と述べ、「止めさせなければならない」と声を荒げた。「彼の家族は嫌がらせを受けている。彼の名前のついた輪縄が出回っている。間違っている」と述べ、「これに対する怒りのレベルを説明することはできない。すべてのアメリカ人、ジョージア州民、共和党と民主党は同じレベルの怒りを感じるべきだ」と語った。またトランプ氏に対して「大統領。あなたはジョージア州で敗北しているようだ」と述べた上で、大統領が進み出て、訴えなければならないのは「人々に暴力行為を示唆するのを止めろということだ。誰かが怪我を負うだろう。撃たれるだろう。誰かが殺されるだろう」と語った。