殴り合い寸前?ホワイトハウスのクレイジーな夜、議事堂襲撃公聴会

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13日、トランプ支持者らが議会議事堂を襲撃した事件を調査する下院特別委員会は、7日目の公聴会を開催した。

この日は、選挙人団投票によって結果が認められた12月14日以降の出来事に焦点が当てられ、選挙不正の主張を支持するシドニーパウエル氏やマイケル・フリン元大統領補佐官といった外部チームと、ホワイトハウス法務顧問らとの間で、罵り合いに発展するほどのミーティングがあったことなどが、事前収録された本人や関係者の証言から明らかにされた。

選挙人団投票から4日後の12月18日、弁護士のルディ・ジュリアーニ氏とシドニー・パウエル氏、マイケル・フリン元大統領補佐官、OverstockのCEO、パトリック・バーン氏がアポなしでホワイトハウスを訪れ、ジュニアスタッフによって内部に通された。

パウエル氏によると、これを知ったパット・シポローネ大統領法律顧問が「最速記録」を破る勢いで駆けつけたという。

シポローネ氏は証言で、一連の人々が執務室にいるのは好ましくないと思ったと話し、バーン氏にいたっては「彼が誰かさえ知らなかった…彼を見て、誰なのと尋ねたほどだ」と振り返った。さらに「このうちの誰もが大統領に良い助言をしていたとは思わない」と語った。

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この二日前、パウエル氏らは、国防長官が投票機械を押収し、解析することを提案する大統領令の草案を作成しており、この中には、パウエル氏を特別検察官に任命する案も含まれていた。この日、ホワイトハウスにこれを持ち込んでいたという。

ホワイトハウスのデレク・ライオンズ秘書官の証言によると、この日「トランプ大統領が2期目に居座る道」を探るパウエル氏らとシポローネ氏らとの間でけんかに発展した。特別委員会メンバーのラスキン議員も、両者は侮辱し、罵り合い、実際の喧嘩を挑むほどだったと説明した。

同席したホワイトハウス法律顧問のエリック・ハーシュマン氏によると、途中、不正の証拠がないと突き返すホワイトハウス側に対して、フリン氏が、投票機と通信していた世界中のコンピューターのIPアドレスを示しているものと思しきダイアグラムを取り出し、海外からの干渉があったことや、ネスト社の温度調節機がインターネットに接続され、票が変更されたという考えを示唆したという。

シポローネ氏らは「たった一つの簡単な質問、証拠はどこになるのか」を尋ね続けたが、パウエル氏らから返ってきたのは、主張を事実で裏付けることを度外視する答えだったという。さらに、すべての訴訟で負けている点を指摘すると、判事が「腐敗している」と反論したともいう。

一方、ジュリアーニ氏は、ホワイトハウス側に「君たちは、タフじゃなさすぎる」と指摘したといい、また「P***iesども」と卑猥な表現で非難したとも明かした。

ハーシュマン氏によると、フリン氏は「腰抜け」と罵倒し、「何度も振り返って叫び続けた」といい、ある時点で「座れ」とFワードまじりで叫び返したほどだったという。

はげしい言い争いは深夜を過ぎるまで続いたという。

12月19日午前1時42分、ミーティングを終えたトランプ氏はツイッターのアカウントを更新し、ピーター・ナバロ大統領補佐官による大規模な選挙不正を示すレポートがあるとした上で、「1月6日、D.C.で大規模なプロテストが開催される。参加してほしい。荒れるぞ」と支持者に呼びかけた。

委員会メンバーの共和党のチェイニー議員は公聴会の中で、トランプ氏を擁護する周辺人物らは、委員会の調査に対して、これまで「否定と遅延」を繰り返してきたが、「トランプ大統領は政権外部の人々によって操られたと主張する」戦略に切り替えたようだと牽制。「トランプ氏は側近を無視するよう説得され、正誤の区別がつかなかった」と主張する新たな戦略は、「ジョン・イーストマン、シドニー・パウエル、スコット・ペリー議員やその他の人物だけを非難しようとするものだ」とした上で、「たわごとに過ぎない。トランプは76歳で、影響を受けやすい子供などではない」と話し、「わが国の他のみんなと同様に、自分の行動と選択に責任がある」と、トランプ氏の責任を追求する姿勢を強調した。