トランプ氏 大統領8月復帰説を拡散?

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トランプ前大統領は周囲に、8月までに大統領に復帰する見込みだと話しているという。ニューヨークタイムズのワシントン担当記者マギー・ハバーマン氏が伝えた。

「トランプ氏は連絡を取り合っている多くの人々に、8月までに復帰する見込みだと話している(そのようなことは起きないが、単に情報をシェアします)」

ハバーマン氏によると、トランプ氏は現在進行中の投票用紙の再審査に「一点集中」しているという。

バイデン氏の勝利が確定したアリゾナ州のマリコパ郡では、現在も、州議会上院の指示のもと、「サイバー・ニンジャ」というフロリダのサイバー・セキュリティ企業による監査が進行している。なお同郡では選挙後に、投票機の監査や用紙の調査、約210万票の手動による再集計がすでに行われている。

監査担当者らは、トランプ政権下の国土安全保障省が、偽の投票用紙と見分けるために透かしを入れたという、陰謀論者の間で出回っている説をもとに、用紙をUVライトで調査していると報じられているほか、中国から密輸されたかどうかを調べるために竹繊維の痕跡を調査しているなどと伝えられている。

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監査は5月14日に完了を予定していたが、期限内に終わらず、集計会場に使用しているアリーナ施設のリースを6月末まで延長したという。

専門家らは、担当者らが信頼できる方法論を使用しておらず、陰謀論者にネタを与えるような結論を導きだすことを懸念しており、さらにこれが、共和党が他州で試すモデルになることを警戒しているという。

ニューハンプシャーでは、すでに同様の取り組みが推進されており、ジョージア州では当選前にQアノン支持を公言していたマージョリー・テイラー・グリーン下院議員が、同様の監査を求めている。

Qアノン支持者らの間では、根拠不明のトランプ氏復帰説を信じる声が広がりつつある。

選挙後、投票システム不正説を流布し、企業から巨額の賠償金を求める名誉毀損訴訟に直面している弁護士、シドニー・パウエル氏は、先日、テキサス州でQアノン支持者らが組織したイベント「For God & Country Patriot Roundup」に出演した際、「トランプ氏は単純に復帰できるべき」と主張。「新たな就任式の日が設定されるべきだ。バイデン氏はホワイトハウスから去るように告げられ、トランプ大統領が戻ってくるべきだ」と話した。

ロシア疑惑を巡って一度偽証罪を認めた後、トランプ氏から恩赦を与えられたマイケル・フリン元大統領補佐官も出演した。米国でミャンマーのようなクーデターが起きないのはなぜかと参加者から質問を受けると、フリン氏は「理由はない」と主張。会場から拍手が起きた。

その後、クーデターを肯定したとして批判を受けると、フリン氏はParlerの投稿で、メディアによる誤報と反論。「アメリカでクーデターが起きる理由はかけらもない。私はこの種のアクションを呼びかけたことは一度もない」と述べた。