飛行中のユナイテッド航空機から脱出スライドが落下、民家を損傷

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イリノイ州シカゴで17日、飛行中の民間旅客機から、緊急用脱出スライドが落下し、民家が損傷する事故があった。

シカゴ警察によると、事故が起きたのは正午すぎ。オヘア国際空港の近くにある民家の裏庭に落下した。

家の持ち主パトリック・デイビッドさんは、地元テレビ局ABC7シカゴの取材に、スライドを発見したのは、自宅で昼食をとっていた息子と義理の父だったと語っている

「ドカン」という大きな物音がしたため、裏庭に出ると、「伸びて、ややグチャグチャ」のスライドがあった。小型車よりもやや大きめのサイズだったという。

この事故によるけが人はなかったが、屋根板や縦樋、キッチンの窓網戸などが損傷した。

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警察に通報すると、すぐに米連邦航空局(FAA)の職員が駆けつけたという。

FAAは、スイスからオヘア空港に到着したばかりのユナイテッド航空ボーイング767型機から、脱出スライドが無くなっているのを整備員が確認したとしており、民家に落ちたものと同一のスライドとの見方を示している。

同日午後、ユナイテッド航空の職員2名が、ディビッドさん宅を訪問し、スライドを回収したという。

なお、ボーイング767型機からスライドが落下するのは今回が初めてではない。2016年にアリゾナ州フェニックスのスカイハーバー国際空港で、2019年にはボストンにあるローガン国際空港で同様の事故が発生している。

先月は、ニューヨークのJFK国際空港からロサンゼルス国際空港に向かうボーイング767-300型機の機内で、スライドが誤って展開する出来事があった。

脱出用のスライドは緊急時にすばやく乗員乗客を脱出させるために備えられ、非常口を開けると自動的に膨張し、展開する。

現在FAAとユナイテッド航空では、スライドが落下した原因について調査を進めている。

デポール大学のジョー・シュウィーターマン教授は、ABC7シカゴに「珍しい例」としつつも、「地上で死亡事故が発生したり、離発着時の飛行機の安定性に影響を及ぼしたりする可能性がある」と指摘。「大規模な調査のきっかけになるだろう」と語った。