パイロットの細かすぎる忠告に賞賛の声

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機内でのトラブルが相次ぐなか、乗客らにマナーの重要性を説いた機長のアナウンスに、賞賛の声が寄せられている。

SNSに投稿された動画によると、離陸前のアメリカン航空の機内で機長は、客室乗務員は「あなた方の安全のため」「フライトをより楽しいものにするため」に搭乗していると役割を説明。「彼らは、あなた方の対応を致しますが、あなた方は彼らの言うことを聞かなければなりません。なぜなら、彼らは私の意思決定の代理を務めており、私の意思決定は重要だからです」と伝えた。

乗客同士の振る舞いについても「お互いを尊重し、親切にしましょう。このような事をわざわざ言うべきではありませんが、全てのフライトでお伝えしています。皆さんがそうではないからです。身勝手で無礼だ。それはいけません」と嗜めた。

さらに「父親のように聞こえるかもしれませんが」と前置きしつつ、荷物をまとめ、隣の乗客にもたれかかって居眠りしたり、(耐候性のジャケットでない限り)ヨダレをたらしたりしないよう忠告。ビデオや音楽は、自分以外の人は興味ないとして、スピーカーモードではなく、エアポッドやヘッドフォンを使用するよう具体的に指示した。異例ともいえるアナウンスに、機内では笑い声に混じり、「何なの?」といった不満も漏れた。

最後に、中央の座席で窮屈な思いをしている乗客は何人いますか?と尋ねたうえで、「誰も聞いていませんね」といいつつ、「最悪と思っているのはわかっています。あなた方には、両方に肘掛けがあります。それは私からのギフトです!ご搭乗ありがとうございます」と締め括った。

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「TEDトークにようこそ」と(各界の著名人がインスピレーションを与えるTed talkのパロディ)とキャプションがついた動画には、よくぞ言ってくれたと機長への賛辞が溢れた。

「彼のスピーチに不満を言った人こそが聞くべき内容」「6年生以下のように振る舞うなら、6年生に言い聞かせるように話されても仕方がない」「米国では大人が子供のように振る舞ってるからだ」といった意見や、「この機長に飛行前のアナウンスを書かせるべきだ」「素晴らしい仕事ぶり」といった賛辞、「彼はバカな乗客のせいで、今週3度降機させられたに違いない」などのコメントが投稿されている。

また機長が肘掛けについて言及したことで、「真ん中の乗客は両方使ってもいいのね」と長年争われてきた”肘掛け論”に終止符を打ったことにも、多くの反響が寄せられた。

連邦航空局によるとパンデミック後に急増した「手に負えない乗客」によるトラブルは減少傾向にあり、2021年の報告件数5,973件から昨年は2,455件に低下した。今年はこれまでに1,123件が報告されている。