乗務員と航空保安官に暴行、米航空機が緊急着陸

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9日夜、首都ワシントン発ロサンゼルス行きのデルタ航空342便の機内で、乗客が客室乗務員と航空保安官を暴行する事件が発生。飛行機は、オクラホマシティのウィル・ロジャース・ワールド空港に緊急着陸した。

CBSニュースによると、暴行をしたのは、首都ワシントン在住のアリエル・ペニントン容疑者(35)。治安紊乱行為と公衆での酩酊罪の容疑で逮捕された。

SNSには、ペニントン容疑者が口論する様子や、逮捕の瞬間を撮影した動画がシェアされている。

オクラホマシティ警察の発表では、機長から、「攻撃的な乗客」が、客室乗務員に暴行し、止めに入った航空保安官にも暴行を加えたと通報があった。最終的に、保安官がペニントン容疑者を機内で拘束した。ペニントン容疑者は着陸後に逮捕され、オクラホマシティ拘置所に勾留された。

2人とも軽傷だが、暴行のきっかけについては明らかにされていない。

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342便は予定より3時間遅れて、目的地のロサンジェルス国際空港に到着した。デルタ航空から、乗客らにボーナスマイルが提供されたという。

昨年以降、規則に従わない乗客によるトラブルが増加傾向にある。連邦航空局によると、今年、実際に捜査を開始したケースは1,017件で、昨年全体の183件から5倍以上増加した。

酔った乗客によるトラブルも度々報じられており、アメリカン航空とサウスウエスト航空は今年6月、パンデミックで停止していた機内での酒類提供の再開を見送ると発表した。

↓今年5月にサウスウエスト航空機内で起きたトラブル。着席をしてシートベルトを締めるよう求められた乗客が反発。乗務員に殴りかかった。暴行を受けた乗務員は、顔から出血し、歯を2本折る重症を負った。

10月、アメリカン航空の機内で、乗客の男が客室乗務員の顔面を殴打する事件があった。男は機内でアルコールを摂取していたと伝えられている。

また、デルタ空港では、主要航空各社に利用禁止客のリストを共有するよう呼びかけるなど、事件防止に向けて、企業間で連携する取り組みも始まっている。

政府や議会も問題視している。

下院運輸・社会基盤委員会のピーター・デファジオ委員長(民主・オレゴン)は、今週の委員会で、問題客の刑事訴追を積極的に行うべきと訴えた。同氏はまた、空港での酒類販売をなくすべきだと主張している。

刑事訴追はまれだとされているが、司法省では過去10ヶ月間で、16人を連邦裁判所に起訴したと報じられている。