クオモNY州知事「医療崩壊の悪夢」に警戒。再ロックダウンの可能性に言及

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30日、ニューヨーク州のクオモ知事は定例会見で、ホリデーシーズンに伴う感染拡大に備え、州全域の病院に緊急措置を命じると発表した。

クオモ氏は新型コロナウイルスの状況について、州全域で感染率および入院者数が急増していると説明。これに加えて、ホリデーシーズンの人々の移動や活動の影響で、さらに拡大する可能性があると述べた。

クオモ氏は今後、病床数や人員など、病院のキャパシティーが主戦場になると主張。全域で感染が拡大することは、春の感染拡大期と違い、地域間で移動可能なリソースが限られるとした上で、「われわれは、病院システムが崩壊することを懸念している」と語った。

対策として、活動を制限する地域の指定に関して、感染率や感染者数に加えて、入院者数や空き病床数、病院の人員数など新たな指標を設けるほか、病院が深刻な状況に陥った場合、「New York PAUSEをする可能性がある」とロックダウンの可能性に言及した。

さらにニューヨーク州保健局が病院に対して緊急措置を求めると発表。人員対策として、すべての病院に退職した看護師や医師の特定を開始させるほか、エリー郡の病院に選択的手術の停止を義務付けるとした。

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また各病院グループ内で、一つの病院が過剰にならないよう患者を移動させ、負荷を分散することを義務付けると発表。3月末に感染が急拡大した際、「震源地」と呼ばれたクイーンズのエルムハースト病院は、患者があふれ、外に設置された簡易検査施設には、症状を訴え、検査を希望する人々の行列ができた。緊急治療室に搬送されたまま死亡した患者もおり、病院の遺体安置所があふれ、大型の冷蔵トラックが横付けされる様子が報じられた。

クオモ氏は「病院システム内で患者を分散させるのは、患者のためだ。われわれは、溢れかえった病院の悪夢を二度と経験するつもりはない。もし病床数が圧倒された場合、州の調査が入る」と厳しい姿勢を示した。

このほか、緊急の野戦病院を準備する計画や病床数の拡大(50%)、病院システムを超えて患者を移動させるなど、負荷を分散させる準備、PPEの確保を求めると述べた。

発表によると、11月29日の入院患者数は3,532人で、死者数は54人だった。検査陽性率は4.57%で、5月以来の水準に達した。