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ニューヨーク市で夜間外出禁止令 破壊・略奪・抗議デモ過激化受け

ニューヨークのクオモ州知事とビル・デブラシオ市長は1日、抗議デモが破壊や略奪行為に発展している事態を受け、市全域で夜間の外出を禁止すると発表した。

外出禁止令は即日有効で、午後11時から午前5時までの外出が禁止される。警察官を通常の2倍に増員し、暴力と器物損壊を防ぐ。増員した警官は、昨晩、暴行や略奪が起きたロウアー・マンハッタンとダウンタウンブルックリンに重点的に配備する。

クオモ氏は声明で「抗議する人々と彼らのメッセージを支持するが、残念ながら状況をかき乱して評判を損なわせる人々がいる」と述べ、「暴力と略奪は市、州および全国的な活動にとって良くない。正当な理由を傷つけ、妨害する。平和的な抗議活動で声を届けることを支持するが、市民の安全が最優先だ。妥協しない」と語った。

デブラシオ市長は「われわれが見てきたデモのほとんどが平和的だが、暴力によってこの瞬間のメッセージを損なわせるわけにはいかない。メッセージは大変重要で、届けられなければならない。」と抗議活動の重要性を強調しつつ「今晩、暴力と器物損壊を防ぐため、知事と私は市全域の外出禁止令を実施する」と語った。

ニューヨークポスト紙によると、クオモ知事は地元ラジオのインタビューに対して、警察官の規模は8,000人になると語った。市庁舎の関係者は、必須事業の従事者とホームレス、メディアは例外になると述べているという。

市長はまた「街とニューヨーク市警察の価値を反映していない警官の事件について、警察委員長と詳細を協議した」と述べ、「迅速な行動が必要であることで合意した。委員長から後ほど、警官の責任をいかに追求するかについて発表する」と語った。

拘束中に警官に首を押さえつけられて死亡したミネソタ州のジョージ・フロイドさんの死亡事件を受け、全米各地で激しい抗議デモが行われている。

ニューヨーク市では28日から各地で抗議活動が行われている。連日、警察官と抗議者の緊張が高まるなか、警官の暴力や行き過ぎた対応が報じられている。

29日のブルックリンの抗議活動では、参加者の女性が警官によって地面に強く突き飛ばされる事件があった。30日には、群衆に囲まれた警察車両が、バリケードごと車を発進させ、人々を押し倒した。同日クイーンズでは、警官が、両手を上げて無抵抗のジェスチャーをする参加者のマスクをはいで、ペッパースプレーを浴びせる映像がSNSに出回った。

一方、抗議者の一部が暴徒化し、警察官に対する暴行や車両破壊、放火、略奪など犯罪行為が相次いでいる。30日、ユニオンスクエアには夜から各方面で抗議活動を行っていたプロテスターが集結。ゴミ箱が燃やされ、警察車両が次々と放火。辺り一帯に、黒煙が立ち込め、車両が焼け焦げた匂いに覆われた。

ニューヨーク プロテスト ジョージ・フロイド
©mashupNY

31日には、深夜にマンハッタンにあるソーホーのブランド店の窓ガラスが相次いで割られ、商品が略奪された。

SoHoで起きた略奪の様子

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