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ストリートギャング コロナ失業給付5億円を不正受給

連邦検察当局は17日、他人の個人情報を使って、パンデミック関連の失業保険給付金を不正に受給したとして、ブルックリンのギャング関係者11人を逮捕、起訴したと発表した。

被告らはブルックリンのストリートギャング、WOO(ウー)のメンバーで、騙し取った金額は430万ドル(4億9,000万円)を超えると見られている。

ニューヨーク東部地区連邦検事局によると、犯行が行われたのは2020年3月から2021年10月。他人になりすましてニューヨーク州労働局に失業給付を申請していた。被害者は800人以上、却下されたものも含めた申請回数は1,000回近くに上るという。

普段は地元を離れないメンバーらが、市外にある高級邸宅やカリフォルニア、フロリダで撮影した写真をSNSに投稿しており、これら羽振りの良い様子が捜査官の目に止まり、調査が開始されたという。

連邦議会は2020年3月、州が定める失業給付に加えて、毎週600ドルを支給するなどの法案を盛り込んだコロナ対策法(CARE Act)を成立させた。施行後、通常1週間あたり5万件程度の失業給付に関する問い合わせが、700万件に達するなど、混乱が報じられていた。被告らは、盗んだ他人の個人情報を使って、オンラインで給付を申請。デビットカードなどの形態で受け取り、ATMで引き出していた。

コロナ関連の救済制度をめぐっては、詐欺が横行している。FBIは昨年5月、同様の手口で200万ドル(約2.2億円)を不正に受給したニューヨーク市在住の男8人を逮捕、起訴した。昨年12月のシークレットサービスの発表によると、失業給付や事業者向けローンなどの救済金に関する詐欺は1,000億ドル以上で、現在も1,000件近くの捜査が進行しているという。

検察が提出した裁判資料には、個人情報の入手方法などが示されている。被告人の1人、クリストファー・ジャン・ピエール被告は、テレグラムを使って、ある人物から他人の運転免許証の情報を購入。購入代金として1件あたり150ドルを仮想通貨で支払っていた。

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被告人らはSNSに、高級車の前で札束を抱える姿など、犯行を誇示するような画像を投稿していた。さらに2020年5月には、Youtubeに犯行を示唆するラップソングを投稿。「Trappin」と題した曲で、「失業給付で大忙しだ」などと歌っていた。

WOOは、ブルックリンのブラウンズヴィルおよびカナーシーを拠点とするストリートギャング。2020年には、ライバルギャングCHOOのメンバーを含む34人が、13件の発砲事件に関連して逮捕、合計122件の罪状で起訴されている。

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